No.744 遙かなる山の呼び声
「遙かなる山の呼び声」 1980年度作品
山田 洋次
夫に先立たれた母子が、北海道の根釧原野で牧場を営んでいた。母親の名前は風見民子(倍賞千恵子)、一人息子は武志(吉岡秀隆)。男手もなく、これからどうやって暮らそうかと考えていた矢先、美人の民子にちょっかいをだす男も現れて不安は尽きない。
冬の嵐の夜、突然一人の男がやってきた。一晩泊めて欲しいということだった。仕方なく納屋を使ってもらうことにした。雌牛がいつ出産するかも分からない所に、不安が募るばかりだ。
その不安が現実になった。牛の出産がその夜に始まった。真っ先に気づいたのは納屋に寝ていた男だ。男は民子と協力し、無事に子牛が生まれた。そして朝日を浴びながら男は去った。
春が来て、暑い夏を迎えた頃、突然、男が戻ってきた。牧場で働かせて欲しいと民子に伝えた。男手は欲しいが、そんなに賃金が出せないと断った。男は食べさせてもらえたら、それで良いと無理やり手伝いを始めた。
男の名前は田島耕作(高倉健)といい、働きながら放浪を続けていたそうだ。だが周囲からは何か訳ありだろうと民子に注意を促した。
そんなある日、民子が倒れて入院することになった。
山田洋二監督のヒューマンドラマです。タイトルは知っているという人も多いと思います。私のように見たつもりでも、実は見てなかったという人もいるかもしれません。
主演は高倉健さんと倍賞千恵子さんのゴールデンコンビ。本作の前に「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」で山田洋二監督と永遠の名作を世に送り出したばかりです。
前作でも共演した武田鉄矢さんが民子の弟役で、新婚旅行に立ち寄るシーンがあります。近所の人に家を尋ねて「前に一度来たことがある」というセリフは、「幸福の~」のことを言ってる?と笑ってしまいました。お嫁さん役を桃井かおりさんが演じられたら確定でしたが(笑)、その後の民子との会話で失恋の話があったのは、辻褄合わせかと思いました(苦笑)
さらに渥美清さんや畑正憲さんなど、豪華なメンバーもちょこっと登場されます。畑正憲さんは動物との触れあいは得意ですから、乗馬もさらっとこなされます。さすが動物博士です。
さて物語は訳あり男が牧場を去ることになります。そのシーンは西部劇の名作「シェーン」を思い出させます。まだ子役の吉岡秀隆さんもそれを連想させてくれます。
ラストで涙が出ます。民子が耕作にハンカチを渡すのは「幸福~」への敬意を、「幸福~」の前日談を、連想させる展開に涙しました。改めて「幸福~」も観てしまいます。こちらも何度観ても泣けますね。
笑える度 ★★★
ファイト度 ☆☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★★★★
スッキリ度 ☆☆☆☆
感動度 ★★★★
