作品名

「グリーンブック」 2018年度作品

監督

ピーター・ファレリー

出演

  • ヴィゴ・モーテンセン
  • マハーシャラ・アリ

あらすじ

 1960年代ニューヨークの高級クラブ・コパで用心棒のイタリア系白人トニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は、クラブの改装休業で2カ月の休みを余儀なく与えられた。酒浸りの日々が待っていると思われた矢先、知り合いからお抱え運転手の仕事を紹介された。

 面接場所はカーネギーホールの上だ。相手は大そうな金持ちの黒人でドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)といい、ジャズピアニストだと聞かされた。

 アメリカ南部へ2カ月の演奏旅行への同行を持ち掛けられた。仕事は運転手だけでなく、スケジュール管理や身の回りの世話まで含まれていた。トニー一族は黒人が大嫌いだ。その黒人の身の回りの世話までは到底受け入れがたく、自分の希望を伝えて帰ることにした。

 シャーリーはレコード会社からトニーの問題解決力を聞かされていた。1960年代のアメリカ南部は黒人差別が顕著だった。それでもシャーリーは南部への演奏旅行を切望していた。それには訳があり、トニーの同行はシャーリーには必須だった。

お勧めポイント

 実話を元にしたヒューマンドラマです。

 1960年代という時代背景が重く圧し掛かっています。あまりご存知がなくても、物語を観ているうちに、どんな時代だったのかを理解していけます。

 シャーリーとトニーは得意分野と不得意分野がはっきりしています。それもお互いの分野が真逆です。最初はお互いを受け入れることは到底不可能だと思われた。でも少しずつ自分に足りないもの、未体験の分野を受け入れていきます。

 タイトルの『グリーンブック』(原題も「Green Book」)は、当時のアメリカで黒人が旅するためのガイドブックです。ヴィクター・H・グリーンさんが考案したガイドブックからその名前で呼ばれるようになったそうです。黒人が安全に利用できる施設が限定されており、現地でのトラブルを回避するためのものです。本作では施設だけでなく、全般的な迫害も知ることができます。

 トニーは喧嘩早いだけの奴かなと思いましたが、本当に良い奴です。黒人雇い主だという理由だけでは仕事を断りません。またシャーリーから社会モラルを指摘されても、文句は言いつつも最後はそれに従います。人々の黒人への偏見に対して自分のことのように憤慨するシーンは私の心さえもホッコリとさせてくれます。

 シャーリーは最初、上流貴族で孤独な日々を過ごしてきたのが、ヒシヒシと伝わってきます。心を壁で囲い、何人も受け入れない保守的な性格に思えました。その壁をこじ開けられる性格と時間、出来事がトニーにはありました。

 物語中盤から空気が軽やかに、展開を楽しめ、物語のラストでは涙してしまいます。ラストがクリスマス・イブだというのも過ぎた実話だなと微笑みます。二人は出会うべくして出会えた親友です。

ポイント

笑える度   ★★★
ファイト度  ☆☆☆
ほのぼの度  ★★
スッキリ度  ☆☆☆☆
感動度    ★★★★★