No.065 秋菊の物語｜メンタルシネマクラブ

作品名

「秋菊の物語」’９２年度作品

監督

チャン・イーモウ

出演

コン・リー

あらすじ

　身重の秋菊（コン・リー）は、夫をリヤカーに載せて病院を訪れた。村長
に股間を蹴られたからである。村長に文句を言いに行った秋菊だったが、村
長の口から謝罪の言葉は一切聞く事ができなかった。怒った秋菊は駐在に苦
情を言い、駐在さんの仲裁で事は収まったように思えた。しかし、村長の横
暴な態度は変わらず、態度を硬化させた秋菊は、今度は県本部へ出掛けた。
　度重なる裁定にも秋菊は納得できなかった。秋菊は一言、村長から謝罪が
欲しいだけだった。そして仕組みをよく判らない秋菊は、この一件で裁判沙
汰に巻き込まれてしまった。
　そんな折、秋菊の出産が始まった。

お勧めポイント

　アジア映画って、私達からみるとエッと驚くような話題を題材にしている
ものをよく見かけますが、この作品もそうです。内容からもお分かりのよう
に、何とも変わった題材です。でも喧嘩の発端も徐々に判ってきますが、そ
れなりの理由はあったのです。田舎者の秋菊が都会で騙されて、高額なタク
シー代を取られるシーンも田舎者と見られない方法を教えてもらうなど、の
どかな雰囲気が前面に出ていて、笑えてしまいます。
　仕組みを判らない秋菊が、村長に謝って欲しいが為に裁判を起しますが、
親切にしてもらった局長さんを苦しめる結果になります。そんな秋菊を励ま
すのが、局長さんという何とも不思議な光景もほのぼのさが良くでています。
　全編どこを見てものどかさで溢れています。そして秋菊のアップで終わる
シーンが全てを物語っています。