No.454 ぼくたちのムッシュ・ラザール
「ぼくたちのムッシュ・ラザール」 ‘11年度作品
フィリップ・ファラルドー
カナダ・モントリオールの小学校で、教師が亡くなった。急なことで、代
わりの教師が見つからない。どうしようかと思案している学校に、自ら教師
を志願する男が現れた。
彼の名はバシール・ラザール(フェラグ)と言い、アルジェリアからの移
民だった。彼は母国で19年間教師をしていたというが、それが事実なのか確
かめる手段もない。しかし他を当る時間も、彼以外に候補が出る可能性も少
なく、彼を採用することにした。
授業が始まった。だが彼の教育活動を見ると、カナダの教育指針と違う部
分が多く、母国ではこのようなやり方で良かったのだろうか、一世代前の指
針ではないのかと疑問に思うところもあった。
だが他の教師の協力もあって、徐々に彼は学校に馴染んでいった。生徒た
ちも彼を受け入れていった。
そんな時、彼の素性がバレた。
教師資格があるから教師ではなく、教える熱意と技術があるから教師だと思
います。
教育は難しいと思います。特に小学生を相手にすると、ちょっとしたことで、
その子の一生のトラウマを与えてしまう危険性があります。一人一人個性があ
るように、教え方も個人によって変えるのが一番良いのでしょうが、そうはい
かないのが集合教育の難しいところです。少なくとも教え方は教師によって違
います。それが各教師の特徴でしょう。
実はこのクラスの前任教師は、教室で自殺しています。そういう問題がある
クラスです。小学生ですから、その心のケアを含めてナイーブに接する必要が
あります。そして前教師がなぜ自殺したのか、その理由が誰にも判っていない
のです。
問題はクラスだけでなく、実はラザール先生にもあります。その問題に悩み
ながらも、クラスの運営を一生懸命に熟していきます。他の先生の教え方を見
て、自分も取り入れますが、なかなかうまくいきません。
こういうこともダメなのかと思う規則もありますが、この作品を観て、肝心
なのは人間同士のふれあいが出来ているかだと思いました。
子供たちの演技が非常にうまいです。ドキュメンタリーかと思うほどシリア
スな演技で、観ている人をクラスの一員として席に着かせてしまいます。
ラストシーンは涙が出ます。ムッシュ・ラザールは素晴らしい先生だと思い
ます。
ラザール先生の言葉を借りれば、「教室という場所は、友情と勉強、思いや
り、そういう場だ。人生があり、それぞれの人生を捧げ分かち合う場だ。絶望
をぶつける場ではない」
新学期がいよいよ始まります。どうぞ今年度も実り多く、一段の成長ができ
る1年に成りますように。
笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆
感動度 :★★★
