No.489 マンデラの名もなき看守
「マンデラの名もなき看守」 ‘07年度作品
ビレ・アウグスト
これは実話です。
1968年6月、南アフリカのロベン島で、グレゴリー軍曹(ジョセフ・ファ
インズ)は囚人看守に赴任した。ロベン島には反政府運動で収監されたネル
ソン・マンデラがいた。グレゴリーはマンデラの看守役に抜擢された。その
理由は彼がコーサ語を話せるからだ。
コーサ語は黒人が話す言葉だ。刑務所では英語を話すように指示されてい
るが、囚人たちの動きを察知するにはコーサ語を話せるのは好都合だった。
看守がコーサ語を話せるとは夢にも思っていないからだ。
グレゴリーはロベン島には凶悪犯だけがいると思っていた。生真面目なグ
レゴリーは、彼らに凛とした態度で臨んだ。だがその首謀者であるマンデラ
(デニス・ヘイスバート)は、グレゴリーが考えていた男とまるで違ってい
た。穏やかな紳士だった。
政府の黒人弾圧はグレゴリーの想像を超えていた。特にマンデラや彼の家
族には、事あるごとに上層部から圧力が掛った。そのきっかけになっている
のはグレゴリー軍曹の報告であった。
自分が見て感じたこと、それが真実
先日死去されたネルソン・マンデラ氏が解放されるまでのお話しです。
配属直後のグレゴリーは、マンデラたちの言動を批判していました。当時、
グレゴリーだけでなく白人のほとんどが同じような考えでした。
マンデラ氏の思想「自由憲章」は秘密文書として、ごく一部の許可された人
しか閲覧できない存在でした。政府が報道していることだけが真実として大衆
に伝えられました。ところがマンデラと対面し、彼の思想を理解し始めた途端、
彼や彼の家族は疎外されます。家族第一に行動する主人公の姿に心を打たれま
した。
この物語は看守を主人公として描かれています。マンデラ氏の活動自体は触
れられていません。主人公がなぜマンデラ氏に理解を示したのか、それは彼の
生い立ちに理由がありました。
主役はジョセフ・ファインズさんです。以前ご紹介した「ヴェニスの商人」
にも出演されていました。その時は長髪の若者という感じでしたが、今回は軍
人として威厳のある言動をします。
グレゴリーがマンデラとスポーツするシーンは、二人が心から信頼し合って
いるのがよく判ります。この頃からグレゴリーとマンデラは、本音で会話を始
めます。それまで意見するなど決して許されない関係だったのが、世論の支持
を受けて変わっていきます。
この作品の原題は“GOODBYE BAFANA”です。ご冥府をお祈りします。
笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★
スッキリ度:☆☆
感動度 :★★★★
