作品名

「クリクリのいた夏」’99年度作品

監督

ジャン・ベッケル

出演

  • ジャック・ガンブラン
  • ジャック・ビルレ

あらすじ

 1930年代初頭、フランスの田園地帯が舞台。町のはずれにある沼地に、
リトン(ジャック・ビルレ)一家と復員兵のガリス(ジャック・ガンブラン)
が暮らしていた。裕福な暮らしではなかったが、日々の食事には困らない生
活を過ごしていた。ガリスは町を離れたかったが、頭の弱いリトンを残して
行くことができずにいた。
 ある夏、リトンの娘であるクリクリは初恋をした。その相手は大富豪ペペ
の孫であった。ペペも元は沼地で育ったのだが、今は事業に成功して沼地を
離れたのだった。偶然、懐かしの沼地を訪れてリトン一家とガリスに出会っ
たのであった。
 リトンとガリスの生活に憧れている人は、他にもいた。一人暮らしの中年
紳士アメデだった。彼も二人が行く所には、暇とプライドさえ許せば、現わ
れた。大雨の翌日のカタツムリ取りにも列車に乗って3人で楽しんだ。もち
ろん、取ったカタツムシはエスカルゴとして売り、生計に充てた。
 ある日、ガリスが用事を済ませているうちに、酒癖の悪いリトンは酒場で、
現役ボクサーのチャンピオンと大騒ぎを起こし、チャンピオンは留置所に入
れられてしまった。しかも悪いことにその日がタイトル戦だったことから、
チャンピオンは一夜にして多額の借金を背負うことになった。
 この事件がリトンの運命を大きく変えるような事態になるとは、誰も思っ
てもみなかった。

お勧めポイント

 クリクリという名がピッタリの愛らしい女の子がまとめた回想録が、この
作品です。彼女がもっとも思い出に残った夏で、作品中の出来事から考えて、
おそらく1932年の夏ではないかと思われます。
 主演は「カンゾウ先生」にも出演していたジャック・ガンブランです。お
金には拘らず、自分が思うように生きていく様は、なんとも羨ましい限りで
す。競演のジャック・ビルレは、以前ご紹介した「奇人たちの晩餐会」でも
迷優ぶりを発揮してくれていましたが、フランスのMr.ビーンと言われる、
ちょっと可笑しげな男を演じたら、右出るものはいない名優です。
 主演の二人を中心に、童心に返った男達が繰り広げるドラマは、昔、自然
の中で遊んだ思い出をもつ人々に哀愁を感じさせます。正に大人向けの夏の
絵日記という感じです。
 数々のエピソードが出てきますが、もっとも楽しいのがカエル取りのシー
ンです。大富豪のペペが昔取った杵柄で、あっという間に、何十匹ものカエ
ルを取るシーンが最高です。あんなに簡単に取れるものか、実際に試してみ
たいくらいです。あまりの出来事に駆けつけたリトン、ガレス、アメデも開
いた口が塞がらない有り様。当のペペはしてやったり顔する辺りが、子供の
頃は何を基準に優劣を決めていたのか、思い出してしまいました。
 さて、皆さんには思い出に残る夏は、いくつありますか?今年も夏が過ぎ
去ろうとしています。何十年後にも思い出して笑える夏になるように奮起し
て下さいね。まずは、この作品をワイン片手に味わってみて下さい。ワイン
が飲みたくなる映画ですから。

ポイント

笑える度 :★★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度  :★★★★