No.376 シルク
「シルク」 ’07年度作品
フランソワ・ジラール
19世紀のフランスで青年エルヴェ(マイケル・ビット)は、妻エレーヌ
(キーラ・ナイトレイ)と幸せに暮らしていた。
ある日、村の製糸工場の蚕が疫病で壊滅状態になった。それはヨーロッパ
全土に広がっており、このままでは工場を続けていくことができず、村全体
が路頭に迷うことになる。
代わりの蚕として、世界一綺麗な絹糸を作れる日本の蚕に目をつけた。し
かし、フランスから世界の果てともいえる日本へ行くことは、危険なことで
あった。
その買い付け役に抜擢されたのは、戦争帰りで若いエルヴェであった。村
を、妻を救うため、エルヴェは愛する妻をおいて、日本へと旅立った。
長い道のりのはて、なんとか日本にたどり着いた。そして幕末の日本で、
原十兵衛(役所 広司)という業者を紹介された。だが、見慣れぬ異国人の
エルヴェに、おいそれと売ってくれるわけもなく、十兵衛の傍で過ごすこと
になった。そんなエルヴェの目に留まったのは、十兵衛の身の回りの世話を
する美しい少女(芦名 星)であった。
ようやく十兵衛の信用を得て蚕を手に入れたエルヴェは、村へと戻った。
手に入れた蚕の卵は、無事だった。その蚕は、想像を絶する美しい絹をはき、
村に活気が蘇った。
でもエルヴェは、日本の少女のことが忘れられずにいた。
カナダ、フランス、イタリア、イギリス、日本の合作によるヒューマンドラ
マです。
日本からも役所広司さんや中谷美紀さん、國村隼さん、そしてオーデション
で抜擢された芦名星さんと、豪華なメンバーです。
まず目を引くのは、美しい日本の風景です。新潟から信州へと映し出されて
いくのですが、見事なシーンです。大陸を横断して苦労の末に目にした日本の
侘び寂びを語るには十分な景色です。こんなに美しいシーンは、めったに見れ
ないと思います。
さらに、主人公の目にとまる少女は、脚注では中国系の異国人という設定に
なっていますが、さきほどの風景にも勝ります。
主人公を愛する妻は、帰国後の様子を不審に思い、日本で何があったのかを
察するようになります。その結果、妻がどのような行動をとったのか、そのす
べてを知った時、主人公にも悲しい影がついてきます。
フランスの素敵な庭園も、同じく哀愁を漂わせる、シルクというタイトルに
相応しい作品です。
この作品は、やはりワインが似合うと思います。
笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆
ほのぼの度:★★
スッキリ度:☆☆
感動度 :★★★★
