No.480 フラガール
「フラガール」 ‘06年度作品
李 相日
昭和40年、福島県いわき市でハワイアンガールが募集された。炭鉱だけ
では経営が苦しくなった常磐炭鉱は、常磐ハワイアンセンターを設立し経営
の立て直しを企んだ。
集まったのはハワイアンダンスがどのようなものか知らない素人ばかり4
名だった。親友の付き添いで参加した高校生の谷川紀美子(蒼井 優)もそ
の一人だ。
そんな彼女たちを教育すべくプロダンサーの平山まどか(松雪 泰子)が
東京からやってきた。かつては一流ダンサーだったが、今は落ちぶれて単な
る酒飲みにしか見えない有様だ。
ダンサー見習いと平山まどかの初顔合わせは最悪だった。しかし平山まど
かの踊りを見た途端、生徒たちは俄然やる気になった。ところが何も聞かさ
れていない紀美子の母親が乱入してきて紀美子は連れ戻されてしまった。
紀美子は母親とケンカをして家を飛び出した。そしてレッスンを続ける決
意をした。兄の洋二郎(豊川 悦司)も紀美子を応援した。
最初は4名だったダンサー見習いは18名にまで増えた。彼女たちは炭鉱の
仕事を失い、生きていくためにダンサーを選んだ。
やってみなければわからない。やらずにわかるはずがない。
変わりたいと思う心、それが大事。
最初は最悪の関係でした。何も知らない素人とプロダンサー、ハワイアンダ
ンスを軽視する村人たち、文字通り一からの出発でした。いえマイナスからの
出発です。時代背景もあり、女性が裸同然の恰好で踊ることへの理解もありま
せんでした。
みんな人生の行き詰まりを感じています。何かを変えなければならない。そ
の想いがハワイアンセンターをオープンすることで同じ方向を向きました。そ
れは平山まどかも同じでした。プロダンサーとして大舞台で活躍したのは遠い
昔のことになっていました。
レッスン最初から初舞台、ハワイアンセンターオープンまで、彼女たちの成
長ぶりが手に取るように分かります。実際、出演者たちは3ヶ月の猛特訓をし
たそうです。平山まどか役の松雪泰子さんの踊りも見事です。主演の蒼井優さ
んが見せる踊りは何度見ても素晴らしいです。寝転んだ姿勢から上半身を持ち
上げて立ち上がる姿は驚嘆です。
この作品を観ていて、話し言葉に親近感を覚えました。どうしてかと思った
ら、この間までやっていた「あまちゃん」の方言に近いからです。だから一生
懸命をやっている姿にどこか馴染んで感じるのでしょう。
ホッコリと元気が出てくる本作を、どうぞこの週末にお楽しみください。
笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆☆
感動度 :★★★★
