No.134 イルマーレ｜メンタルシネマクラブ

作品名

「イルマーレ」’00年度作品

監督

イ・ヒョンスン

出演

チョン・ジヒョン
イ・ジョンジェ

あらすじ

　１９９９年、海辺に建つイルマーレと名づけられた家からウンジュ（チョ
ン・ジヒョン）は離れることにした。気がかりは米国に留学して音信不通に
なっている恋人からの連絡であった。そこでイルマーレの郵便ポストに次の
住人に宛てた手紙を入れておくことにした。彼からの手紙を連絡してもらう
為だった。
　数日後にイルマーレにやってきたウンジュは、次の住人がまだいないのを
確認した。ところが偶然覗いたポストの中には、自分が書いた手紙の代わり
に見知らぬ手紙が入っていた。その手紙を書いたのはソンヒョン（イ・ジョ
ンジェ）という男性だった。驚いたことにこの男性はイルマーレに住んでい
るというのだった。しかもこの家は新築で、自分が最初の住人だと書いてあ
った。
　手紙を書いた日が１９９７年とあったこともあって、ウンジュは誰かのい
だずらと思った。そこでもう一度手紙をポストに入れてみると、しばらくし
てソンヒョンからの返事がポストの中に入っていた。こうして二人の不思議
な文通が始まった。

お勧めポイント

　なんとも不思議な物語です。２年の時を隔てて、郵便ポストがその空間を
結ぶ場所になっているのです。わずか２年という時間ですから、２年前にウ
ンジュが駅でカセットレコーダを忘れた話を書くと、その日に駅に出掛けた
ソンヒョンが、列車に飛び乗ってカセットレコーダを忘れるウンジュを目撃
することができるのです。
　この二人には同じペットがいました。このワンちゃんはイルマーレに越し
て来た時に決まって家の前に座っていて、居着いてしまったのでした。
　ＢＧＭに使われているジャズや幻想的な情景がファンタジーな雰囲気を
高めてくれます。
　さてこの作品はラブストーリーなのですが、心通わせた二人は会う約束を
します。ウンジュにとっては７日後、ソンヒョンにとっては２年と７日後の
約束です。約束の当日、ソンヒョンは現われません。なにがソンヒョンにあ
ったのでしょうか、そして二人はどうなるのでしょうか。
　私はこの作品を明け方に見ました。この映画の幻想的な雰囲気にはピッタ
リです。ちょうど映画が終わる頃に日が昇ってくるぐらいが一番、この作品
にあってます。