配信

No.153 フィッシャー・キング

作品名

「フィッシャー・キング」’91年度作品

監督

テリー・ギリアム

出演

  • ロビン・ウィリアムズ
  • ジェフ・ブリッジス

あらすじ

 ラジオのDJとして時の人となったジャック・ルーカス(ジェフ・ブリッ
ジス)は、番組中の不用意な言動が元で忌まわしい惨劇を起してしまった。
それ以来、彼の名は人々から忘れられ、自堕落な日々を過ごしていた。
 ある日、深酒をして人気の無い波止場にいるところを不良達に絡まれ、体
に灯油を浴び殺されかけた。寸前のところで怪しげなホームレス達に助けら
れた。彼らのリーダー格であったパリー(ロビン・ウィリアムズ)という男
は、精神が逝かれているところもあったが、ジャックを親切にもてなした。
 命の恩人でもあるパリーと友情を深めていくうちに色々なことが判って
きた。パリーは元大学教授をしており、美人の奥さんと幸せに暮らしていた
という。ところがある事件をきっかけに妻を失い、精神も病んでしまったと
判った。その事件とはジャックが忘れ去ることができない、あの惨劇であっ
た。そしてその後遺症は今でもパリーを苦しめていた。

お勧めポイント

 ちょっとした言動が原因で後悔の念に苛まれることがあります。ましてや
自分だけでなく、周りの人へも影響を及ぼすほどの問題となってくれば、居
ても立ってもいられません。この作品の主人公ジャックも人気絶頂の瞬間を
迎え、さらに飛躍しようとした瞬間に奈落の底に落ちてしまいます。もう二
度と立ち上がれないと思えた矢先、同じ事件で幸せの絶頂期から撃ち落され
てしまったパリーに会います。パリーに何かしてあげようと努力するうちに、
自分の中に忘れていたものを呼び覚まします。
 私がこの作品で一番好きなのは、パリーが片思いのリディアを連れて中華
レストランで食事をするシーンです。リディアが起す失敗の数々をパリーが
優しく庇ってくれます。そしてリディアへ送る愛の歌がシンプルだけれど、
ハートにジンとくる歌なのです。このシーンが最高です。
 このリディアは毎日のように失敗を繰り返し、自分は存在感の薄い女だと
悲観しています。たしかに最初に登場したシーンとかではお世辞にも美しい
とは言えません。でもパリーから愛され、生き生きと輝き始めてからは黄金
の光を放ち始めます。それはジャックにも言えることです。今自分が一人だ
と感じている方は、この映画で何かを掴めるように思います。

ポイント

笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度  :★★