No.164 ヒーロー／靴をなくした天使｜メンタルシネマクラブ

作品名

「ヒーロー／靴をなくした天使」’92年度作品

監督

スティーヴン・フリアーズ

出演

ダスティン・ホフマン
ジーナ・デイビス
アンディ・ガルシア

あらすじ

　コソ泥バーニー（ダスティン・ホフマン）はある日、不時着した旅客機に
遭遇した。まだ事故が起こって間もない様子で、現場では多くの人が助けを
求めていた。しかたなくバーニーは単独で救助活動を始めた。
　ＴＶレポーターのゲイル（ジーナ・デイビス）は、その旅客機に乗り合わ
せた一人だった。彼女自身も座席に挟まって身動きが取れないところをバー
ニーに助けられたのである。しかし、意識が朦朧としていたことと、薄明か
りの中だったので、彼の顔をはっきりとは記憶していなかった。
　翌日からマスコミは彼の話題で持ち切りだった。５０人もの乗客を助けて
おきながら、名も告げずに立ち去ってしまったからだ。彼こそアメリカン・
ヒーローだとマスコミ各社が血眼になって、彼を探し始めた。もちろん、助
けられたゲイルもその一人だった。手がかりは現場に残された片方の靴だけ
だった。

お勧めポイント

　まるで現代のシンデレラーのようなお話です。助けられたゲイルは、この
靴の持ち主こそ、自分を助けてくれた王子様だと恋してしまうのです。一方
のバーニーはコソ泥が仕事。でも、人の良いのが災いして、救助活動を始め
たのです。ブツブツ文句を言いながら作業する姿は、ダスティン・ホフマン
にピッタリの役所と言えます。
　マスコミがヒーローに賞金を掛けて捜す中、ホームレスのジョン（アンデ
ィ・ガルシア）が金欲しさにバーニーから貰った靴を手に名乗り出ます。こ
れ幸いとヒーローにされてしまったジョンは弁解の機会も失い、挙句の果て
は奇跡まで起すヒーローとして祭り上げられてしまいます。その様子を見た
バーニーが例によってブツブツ文句を言う姿が笑えます。
　ヒーローの登場で世間の話題を取れたら、それが偽者だって構わないとい
うマスコミに対する風刺も込められた作品です。また、ゲイルが名乗り出た
ヒーローが自分を助けてくれた王子様とは違うのに気づいていく過程も見
所の一つです。
　さて、この作品ですが、来週ＴＶ放映されますので、この機会にぜひ御覧
ください。なお、この作品はビデオでは上の作品名に書いたように「ヒーロ
ー」という言葉が前に付きます。