No.166 ビューティフル｜メンタルシネマクラブ

作品名

「ビューティフル」’00年度作品

監督

サリー・フィールド

出演

ミニ・ドライヴァー
ハリー・ケイト・アイゼンバーグ

あらすじ

　貧しい家庭で母親の愛情も得られずに育ったモナ（ミニ・ドライヴァー）
の夢は、ミス・アメリカになること。小さい頃から夢を実現する為、小遣い
を稼いではコンテストに参加していた。だが結果はいつも燦々たるものだっ
た。それでも夢を諦めずに出来る限りの努力を続けてきた。
　そんなある日、モナは妊娠していることに気づいた。それはコンテストに
応募する資格が無くなることを意味した。絶望に塞ぐモナを救ったのは親友
のルビーだった。彼女はモナの子ヴァネッサ（ハリー・ケイト・アイゼンバ
ーグ）を自分の子供として育て、モナにコンテストを受けさせた。
　ようやくモナはミス・イリノイとして本選への出場権を得た。ところが肝
心の時に親友のルビーは、仕事上のトラブルから留置場へ入れられてしまっ
た。他に頼る人もないモナは、仕方なくヴァネッサを連れてコンテスト会場
へ向かった。ヴァネッサは実の子であるから、どこかしら自分に似ている所
があった。そして子持ちとバレルと、参加資格を失ってしまうのである。

お勧めポイント

　コンテストに優勝する為ならばと、あらゆる手でライバルを蹴落とすモナ
には驚いてしまいます。性格も自由奔放で、あまり人に好かれる女性には見
えません。実の娘であるヴァネッサもモナのことを嫌っていて、ミス・アメ
リカに選ばれたら１年間顔を見なくて済むから、という理由で協力する有り
様です。
　しかし、二人がコンテストに同行することになってから、ヴァネッサはモ
ナの痛みを理解していきます。血を分けた親子だから、悲しみも通じる処が
あるのです。モナ自身も母親からの愛情が薄かった分、ヴァネッサにどのよ
うに接すれば良いのかを知らなかったのです。
　徐々にヴァネッサは、モナが自分に似ていることに気づいていきます。そ
してそれは確信へと変わっていきます。一方のモナも自分の子でありながら、
それを隠してまでミス・コンテストに優勝することが、どれだけ大事なこと
かと考え始めます。
　お互いを大切に思い、行動を始めるラストシーンは、前半のモナからは想
像もつかない、感動に包まれます。クレジットで流れる曲も心にジンときま
すので余韻を楽しんで下さい。