作品名
「かあちゃん」’01年度作品
監督
市川 崑
出演
- 岸 恵子
- 原田 龍二
あらすじ
天保末期の江戸、飢饉と税の徴収で、人々の暮らしは貧窮に喘いでいた。
そんな時代に貧乏長屋に住む6人家族だけは、近所付き合いもあまりせず、
もっぱらお金を貯め込んでいると評判だった。
その噂話を聞きつけた勇吉(原田 龍二)は、その家にこそ泥に入った。
しかし運悪く、おかつ(岸 恵子)に見つかってしまった。この女将さん、
泥棒に怯むどころか、「どうしてもこのお金がほしいなら、このお金がどん
な金か聞いてからにしてくれ。」と諭すように話し出した。
おかつ一家が一心に貯めこんだそのお金は、現在、牢に入っている大工職
人の源さんに渡すためだと言う。源さんは、おかつの長男、市太の大工仲間
だったが、その顔を知っているのは、市太とおかつだけで、他の4人は、顔
も知らない他人のために、文句一つ言わずに働いていると知った。
お勧めポイント
なんともほんわかとした物語です。
おかつを初めとする親子は誰一人、他人を疑うこともせず、一生懸命に生
きています。その背景にはおかつの人柄が大きく関わっています。実際にこ
んな家族はいないだろう、と思いながらも、最後まで、じっくり見てしまう
作品です。
市川監督と言えば、だいたいの作風が判ると思います。また、主演の岸恵
子さんが本当に良い味を出しています。江戸っ子という気風の良さがあるの
ですが、どこか和んでしまって、ついつい「かあちゃん」と言いたくなりま
す。
物語の最初に、居酒屋で町人達の噂話も面白く、その時点で引きずり込ま
れてしまいます。
原作は山本周五郎さん。当クラブでも「雨上がる」「ひとごろし」と山本
周五郎さん原作の作品を推薦してきました。この作品も文句なしに和める作
品ですので、花見を楽しんだ後にでも、御覧頂けたら最高かと思います。
ポイント
笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★★★


