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No.194 ドンファン

作品名

「ドンファン」’95年度作品

監督

ジェレミー・レヴェン

出演

  • マーロン・ブランド
  • ジョニー・デップ

あらすじ

 ニューヨークの裏町で一人の青年が自殺を計った。彼の自殺を止めた精神
科医のジャック(マーロン・ブランド)が彼を診断することになった。自殺
現場での青年の衣装はマントに仮面、剣まで携えて、まるで中世の騎士のよ
うであった。さらに驚くことに、この青年は自分をドンファン(ジョニー・
デップ)だと名乗ったことだ。この名前こそ、スペインの伝説に残る愛の貴
公子を意味するからだ。
 ドンファンは21歳にして1500人以上もの女性と愛を交わしたと話
した。ようやく永遠の愛を誓う女性に巡り会えたが、彼女が1502人目の
女性だと告白したことから、別れを告げられてしまう。でも彼女ドンナ・ア
ナはドンファンを南の島で永遠に待ち続けていると言う。「天で生まれた魂
が何かのはずみでふたつに割れ、ついに地上でひとつになる」と語った。
 彼の話を聞いたジャックは、狂人の戯言だと思った。しかし、話を聞いて
いくうちに彼のロマンチックな遍歴の虜に成って行った。だが、警察が調べ
た彼の素性はピンナップ・ガールに恋した青年に過ぎないというものだった。
 彼の審問会の日が迫り、薬による治療を否定していたジャックは、ドンフ
ァンの為にも薬を飲むことを勧めた。薬を飲み続ければ、誰でも現実を悟る
からである。ジャックの勧める薬を素直に飲んだドンファンは、審問会で普
通の青年らしく会話し、晴れて自由の身になった。
 さっそくジャックは、妻とドンファンを連れて、伝説の南の島へと向かっ
た。ドンナ・アナを迎えに。

お勧めポイント

 とってもロマンチックなお話しです。それも大人のエロスを感じさせる作
品です。どこまでが現実で、どこからが幻なのか判りません。でも、愛を信
じる心にこそ、ロマンスが宿ると言えます。
 精神科医のジャックは、ドンファンの話を聞いていくうちに、初恋の頃の
神聖な愛を思い出し、倦怠期に陥っていた妻との暮らしにも愛が蘇ります。
 受け入れられる愛、受け入れられない愛、真実の愛、虚実の愛と、色々な
愛があります。でもその根底には「自分を信じ、相手を敬い、心のままに行
動する」ことにあるのではないでしょうか。
 「人生で大切な問題は4つしかない。神聖とは?魂とは?命の意味は?死
の意味は?答えは全て同じ“愛”だ。」というセリフが示すように、愛とは
何かを考えさせられる作品です。
 この時期にこの作品を選んだのは理由があります。ラストシーンで登場す
る南の島の美しい海、焼け付くような太陽、そして日に焼けた素肌が強く印
象に残っていたことです。そしてもっとも感動するシーンでもあります。
 愛を見失っている人、愛を信じたい人、愛とは何かを考えたい人、愛を育
んでいる人、そして愛されない人へ、この作品を捧げます。
 次に載せるのは、この作品に登場する曲の歌詞です。


女を愛する時は 彼女を心から求め
彼女こそただ一人の恋人だと伝えよう
彼女は誰かに この愛は永遠だと言われたいのだから
君は今まで本当に 女を心から愛したことがあるか

女を愛するには そっと抱きしめ
彼女が求めるまま優しく愛撫すること
彼女の香をかぎ 味わいつくし
自分の血の中に 彼女を感じること
彼女の瞳に まだ生まれぬ子の姿を見た時にこそ
君は本当に女を愛することができる

女を愛する時は 彼女を心から求め
彼女こそただ一人の恋人だと伝えよう
彼女は誰かに この愛は永遠だと言われたいのだから
君は今まで本当に 女を心から愛したことがあるか

彼女に信頼を与え きつく抱きしめ
優しさと尊敬で 彼女と接するなら
彼女も君のために尽くしてくれるはず 
それが本当に女を愛すること
彼女に胸に抱かれ 心安らいだ時にこそ
君は本当に女を愛することができる

ポイント

笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度  :★★★★