No.207 少女の髪どめ｜メンタルシネマクラブ

作品名

「少女の髪どめ」’01年度作品

監督

マジッド・マジディ

出演

ホセイン・アベディニ
ザーラ・バーラミ

あらすじ

　テヘランの建設現場で働くラティフ（ホセイン・アベディニ）は１７歳の
若者。建設現場と言ってもラティフの仕事は雑用係で、要領良くこなしてい
た。ある日、工事現場で不法滞在しているアフガン難民が事故にあった。男
の代わりに息子のラマート（ザーラ・バーラミ）が働くことになった。
　ところがラマートは体力が無く、力仕事は無理だったので、ラティフの仕
事と変わることになった。それに腹を立てたラティフは、ラマートを事ある
毎に虐めるのだった。
　ある日、ラティフは現場事務所で奇妙な光景を見た。髪を梳く女性のシル
エットだった。その人物はラマートだった。ラマートが喋れないこと、力が
弱いこと、の意味を理解したラティフは、一転して仕事もそっちのけに、彼
女を守り始めた。

お勧めポイント

　１７歳の若者の一途な恋物語です。
　ラティフは要領良く、周りの文句も気にせずに生きていました。でも憎ん
でいたはずの男が女性と気付くなり、衣装に気を使ったり、彼女に気遣いを
みせたりします。さらには彼女の一家のためにと、自分が働いたお金を会社
からと偽って届けたりします。それほど直向に彼女に奉仕し、彼女もラティ
フの行動を意識します。
　見返りを求めない愛とはどんなものか。その代償に彼は何を差し出し、何
を得ることができるのでしょうか。
　その結末はどのようになるのか、作品を御覧になってください。
　監督は「運動靴と赤い金魚」で有名になったマジッド・マジディさんです。
この映画も純粋に生きていく人々を描いた感動作です。