作品名
「エレファントソング」’94年度作品
監督
利重 剛
出演
- 松田 美由紀
- 三谷 昇
- 寺島 進
あらすじ
喫茶店でウェイトレスとして働く加奈子(松田 美由紀)の元へ一本の電
話が入った。彼女の昔馴染みの下月(三谷 昇)という男が死んだのだった。
生前から自分が死んだら加奈子へ連絡するように、大家さんにお願いして
あったのだ。加奈子はさっそく喫茶店の常連である吉樹(寺島 進)を言い
くるめて下月の下宿へ向かった。下月と加奈子には約束があった。自分が死
んだら、土に返して弔って欲しいというものだった。
友人との約束を守ろうとする加奈子は、何一つ事情を知らないままの吉樹
が運転するトラックへ下月の死体を運び、息子の進も引き連れて死体を埋葬
する場所を捜すのだった。
お勧めポイント
ヒューマンドラマです。
象は生命の終りを悟ると、群れから離れて、森の奥にある象の墓場へ向か
うという話が紹介されます。この作品に登場する下月も生前の遺言どおりに
こっそりと消えるのを願います。加奈子は大家さんにも、下月は死んだので
はなく、どこかへ去ったことにして欲しいと頼みます。そして死体を担いで
弔い場所を捜します。
デパートへスコップを買いに行くシーンで、加奈子は展示してあるピアノ
を演奏する少女に出会います。少女のぎこちない「ネコふんじゃった」が加
奈子と連弾で、みるみる楽しい曲に変わります。このシーンがとてもかわい
いです。ついつい聞き惚れてしまいます。実はピアノは加奈子と下月が出会
うきっかけになったものだったのです。
弔い場所が見つからず、だんだん死臭が漂ってくる死体に悲しむシーンや
訳も判らず連れ回された吉樹とケンカするシーンなど、加奈子の性格がせつ
せつと描かれます。最初はぎこちなかった吉樹との関係も旅を続けていくう
ちに尊重しあうようになります。
友人との約束がどんなことであれ、一生懸命に果たすことができるでしょ
うか?そんなことを考えてしまった作品です。
ポイント
笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★★


