No.219 マイ・ビッグ・ファット・ウェディング

作品名

「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」’02年度作品

監督

ジョエル・ズウィック

出演

ニア・ヴァルダロス

あらすじ

　３０を超えたトゥーラ（ニア・ヴァルダロス）は、父親に言わせると「賞
味期限が過ぎている」と嘆かれる。たしかに平凡な容姿は魅力にかける。お
まけにトゥーラ家はギリシャ人家系なので、結婚相手もギリシャ人に限ると
小さな頃から決められていた。
　このままではいけないと思ったトゥーラは、大学へ行き最新ＩＴ技術を学
んだ。髪形を変え、親戚が経営する旅行代理店でバリバリ働き始めた。何か
が変わったかに思えたある日、彼女の店に一人の男性が現れた。かつてトゥ
ーラが自分を変える決意をした男、つまり一目惚れの相手だった。彼もトゥ
ーラに恋したから店に入ってきたのだが、トゥーラが以前レストランにいた
ウェイトレスだと気付かなかったほどだった。
　片思いから両思いになったトゥーラは、すべてが順風になったかに思えた。
しかしそれは大きな過ちで、数々の試練の始まりだった。彼女の家系はギリ
シャ人男性としか結婚できない鉄の掟があったからだ。

お勧めポイント

　なかなかユーモラスなラブ・コメディです。当初、映画でも主演を演じる
ニア・ヴァルダロスが一人芝居でやっていた舞台を、トム・ハンクスが気に
入って映画化したものです。
　頑固な父親は向上心に燃えるトゥーラに、女性は早く結婚すれば良いと、
旅行代理店で働くことを許可しません。トゥーラの母親は嘆く娘に、「頭は
男が握っているが首は女が管理している。女が首を思う方向に向ければ、頭
はその方向で考えをまとめる」と諭します。何のことか最初は判らなかった
諺ですが、すぐにそれを証明する出来事が起こります。たしかにその通りだ
と笑ってしまいます。詳しくは御覧になって笑ってください。
　ギリシャ系のトゥーラ家と非ギリシャ系の恋人イアンとは何をするにも
カルチャーショックに陥る。最初は猛反対していた父親も首を管理する母親
たちに圧倒され、イアンを認めてしまう。イアンの彼女を思う気持ち、行動
はすべての苦難を一つずつ乗り越えていく。いつのまにか同じ慣習をする二
人に、夫婦って似てくるものだと感心しました。
　全ての言葉の語源はギリシャ語にあると、事ある毎に自慢する頑固な父親、
老人ボケから今も戦争中だと思っているおばあちゃん、イアンに変なギリシ
ャ語ばかり教えるトゥーラの弟と、個性の強い人々が登場します。でも頑固
な父親も娘の幸せを願う気持ちは万国共通で、トゥーラへの結婚プレゼント
には、ちょっと涙が出てしまいます。
　大家族との付き合い、文化の違いは、とても大変な試練だと思います。で
も互いの文化を尊重し理解し合えば、楽しい時も悲しい時も、大きな力に変
えられると、この作品を観て思いました。
　さて今年もＧＷがやってきました。普段は会わない親戚や友人たちとの時
間も多いと思います。この作品を皆で御覧になられてはどうでしょうか。