配信

No.220 汚れなき悪戯

作品名

「汚れなき悪戯」’55年度作品

監督

ラディスラオ・ヴァホダ

出演

  • パブリート・カルヴォ

あらすじ

 スペインの小さな村にある教会に一人の赤ん坊が捨てられた。僧侶たちは
どうしたものかと相談したが、自分達で育てることにした。しかし僧侶たち
は全て男性で、子育ての経験が無いものが多く、どうやって育てればいいの
か戸惑いの連続だった。時には母親、時には父親、そして時には友人として、
健やかに育ってくれることを願った僧侶たちの期待どおりに、悪戯好きだが
心の優しい少年マルセリーノ(パブリート・カルヴォ)に育った。
 ある日、マルセリーノは屋根裏部屋でキリスト像を見つけた。そのキリス
ト像はどうやらお腹が減っているようなので、パンとワインを差し出したと
ころ、手を差し伸べて受け取ってくれた。その日からマルセリーノに新しい
友達ができた。一方、何も知らない僧侶たちはマルセリーノが何をしている
のか不審に思い始めていた。

お勧めポイント

 心温まる御伽噺です。
 モノクロの画面と心に響く安らかな音楽が最高です。その音楽を子守唄に
すくすく育つマルセリーノ坊やのあどけない仕草に、忘れていた純粋な心を
呼び戻されます。
 子供のための御伽噺はたくさんありますが、この物語は大人のために書か
れた御伽噺です。55年作品と古く、セピア色の画面を見ても歴史を感じさ
せます。小さい頃にみた印象よりも大人になってからの方が、さらには子供
を持つ親の気持ちが判る世代になってからの方が、より感動して泣ける作品
です。大人のための御伽噺だというのがよく判ります。
 主演のパブリート・カルヴォが愛くるしい表情を見せてくれます。キリス
トの顔を覗き込んで話し掛ける仕草がなんとも言えません。
 僧侶たちの溢れるばかりの愛情で日に日に成長していくマルセリーノ坊
やに過酷な運命が待っていました。きっとマルセリーノは僧侶たち以外で初
めて出来た友達の下へ旅立ったのでしょう。
 97年に「マルセリーノ・パーネヴィーノ」という題名でリメイクが作ら
れましたが、私は55年作品の方が好きですね。
 ゴールデンウィークの疲れで、クタクタに成られた人も多いかと思います。
この週末はこの作品で少年、少女の頃に戻って、心の疲れをほぐしてみませ
んか。

ポイント

笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度  :★★★★★