作品名
「ドクトル・ジバゴ」’65年度作品
監督
デヴィッド・リーン
出演
- オマー・シャリフ
- ジュリー・クリスティ
あらすじ
ロシア革命前、ロシアに一人の医者で詩人でもあるジバゴ(オマー・シャ
リフ)が住んでいた。彼は孤児になってから母親の友人に育てられた。そし
てその友人の娘と結婚することになった。その結婚式の最中、一発の銃声が
鳴り響いた。強欲な金持ちに弄ばれた女性ラーラ(ジュリー・クリスティ)
が、その金持ちを撃ったのだった。
第一次世界大戦が始まり、ジバゴは医師として戦場に出向いた。その戦場
で一人の看護婦と出会った。それがラーラだった。ラーラは戦場に行った主
人を探しに来ていた。戦争が終わる頃、二人は惹かれ合うようになっていた。
でも互いの家庭を壊さないように純愛のまま別れた。
久しぶりに戻った故郷は悲壮な場所に変わっていた。ロシア革命で人も町
も変わり果てていた。この先、ジバゴにどのような人生が待ち構えているの
か、誰も知る術はない。
お勧めポイント
壮大な一大抒情詩です。
194分という長編大作ですが、人間の一生を描くにはこれでも十分では
ないのを感じます。この作品は一度御覧になられただけでは理解できないく
だりも多いと思います。何度か見直していくうちに、それぞれの場面のつな
がりが鮮明になっていき、この作品がより一層素晴らしいものになります。
ジバゴの人生は激動の一生と言えます。現代の私には映画の中の主人公で
はありますが、人生は波乱に満ちており、多くの分岐点があるのを教えてく
れます。その分岐点で自分自身あるいは周りから選ばれた選択によって、人
生がどのように変わっていくものか、この作品を見ながら、時に喜び、時に
哀れみを感じさせてくれます。これはジバゴの人生だけでなく、ラーラや登
場する人物それぞれにいえます。
ラーラ役のジュリー・クリスティは、くっきりとした瞳が強い信念をもつ
ラーラの性格を見事に伝えてくれます。ラーラの人生をみて思い出されるの
が、「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラです。どちらの女性も激動
の時代を強い意志で生き抜く姿は、全ての人に深い感銘を与えてくれます。
「ラーラのテーマ」。バラライカの哀愁漂うメロディが、見終わった後で
も脳裏で繰り返されます。まるでオルゴールを聞いているかのように。
梅雨の季節がやってきました。週末はこの作品を一日かけてゆっくりと御
覧になられてはどうでしょうか。
ポイント
笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★
スッキリ度:☆☆
感動度 :★★★★


