No.242 ここに、幸あり
「ここに、幸あり」’03年度作品
けんもち 聡
役者を志す加藤(高瀬 アラタ)は、なかなか目が出ない。しかも自分よ
り演技力がないと思っていた若手に先を越された。おまけに九州の離れ島に
住む芸大受験生の演技指導をやらされるハメになってしまった。
しかたなく出かけたその島で、一人のシャイな青年(須田 邦祐)が加藤
を出迎えた。さっそく演技指導を始めるが、演技の基本が全く出来ていない
有り様だった。それでも手を抜くことなく演技の厳しさを教え込もうとする
加藤に、青年はマイペースを守り続けた。そればかりか加藤の方が間違って
いるとさえ言い出した。
しかし、青年や島の人々と交流していくうちに、加藤の胸の中に蓄積して
いたわだかまりが消えていくのを感じ始めた。
ほのぼのとしたヒューマンドラマです。
自分が生きている世界が絶対だと思っていても、実はそうとも言えない場
合があります。ちょっと肩の力を抜いて考えてみたら、今までとはまったく
違う考えが浮かんでくることがあります。この作品は、正にそれを映像化し
たようなものです。
舞台になっている島では、誰かと争いになった時、まず相撲をとってから、
本音で話す慣わしがあります。本音で話し合える素晴らしさをうまく伝えて
くれます。また、土俵の俵の端から端まで何歩なのかを、この作品で知りま
した。
主人公の加藤以外にも、町からやってきた写真モデルが描かれています。
彼女もカメラマンとギスギスした関係のまま仕事を続けていき、どこかに憤
りを感じてしまいます。そんな彼女も、一人、島に残ってから、徐々に忘れ
ていたものを思い出してきます。
「こんなはずでは」と思う事がある方、この作品をボーと御覧ください。
きっと忘れかけた何かを思い出させてくれますよ。
笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度 :★★
