作品名
「あげまん」’90年度作品
監督
伊丹 十三
出演
- 宮本 信子
- 津川 雅彦
あらすじ
捨て子だったナヨコ(宮本 信子)は、生きるため、物心がついた頃から
芸者として生きていくことを決意した。やがて彼女を見初めた旦那との幸せ
な暮らしがナヨコにも訪れた。だが、恋人と呼べる男とは縁がなかった。
最初の旦那が亡くなった後、次に声をかけてくれた大倉善武の妾になろう
とした時、しがない銀行マンである鈴木主水(津川 雅彦)と出会った。ナ
ヨコはこの人こそは運命の人と、大倉の申し出を断って、鈴木の元に走った。
それからというもの、鈴木はトントン拍子に出世街道を爆心し、最年少の
取締役までにのし上った。鈴木はもとより、ナヨコにとっても幸せの絶頂期
だった。ところがそんな鈴木に、間の悪い状況が待ち受けていた。
お勧めポイント
「あげまん」と聞くと、何か怪しげな印象をもたれる方もおられると思い
ます。「まん」は「間のいい」を意味し、大阪では「マンが悪い」などと「タ
イミングが悪いこと」に今でも使います。つまりこの言葉は、「タイミング
良くいくようになる」ことを意味します。そしてその運をつれて来る女性の
ことを指します。
ナヨコと暮らすようになった男性はすべて、人生の絶好期を迎えます。と
ころがナヨコを裏切るやいなや、どん底に落ちてしまいます。男性だけが幸
せになるのではなく、その福をナヨコももらって幸せに暮らせるのです。男
には女が、女には男が、を証明するような作品です。
この作品では色町に生きるナヨコを取り巻く男たちということで、政治界
の裏幕を鋭く抉る伊丹監督ならではの脚色も含まれています。こちらはドロ
ドロした内幕なのですが、その分、ナヨコの「あげまん」が光り輝いて見え
ます。
さて、新年がやってきました。
男性の方、あなたの「あげまん」はそばにいますか?
女性の方、あなたの「あげまん」で包みたい人はいますか?
まだの方は、今年こそ見つけてください。
ポイント
笑える度 :★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★


