No.258 赤ちゃん泥棒｜メンタルシネマクラブ

作品名

「赤ちゃん泥棒」’95年度作品

監督

ジョエル・コーエン

出演

ニコラス・ケイジ

あらすじ

　泥棒のＨ．Ｉ（ニコラス・ケイジ）は警察に連行されるたびに、そこで出
会う婦人警官に恋してしまった。何度目かの連行で、Ｈ．Ｉは彼女にプロポ
ーズをした。見事に花嫁を手にしたＨ．Ｉは、仕事を変えて、まじめに働き
始めた。貧しいけれど幸せな毎日を送っていた。

　ところがどうしたことか、子供が授からないのだった。医者の診断で、彼
女は妊娠できない体だとわかった。悲しみにくれた二人は、すさんだ生活に
戻ろうとしていた。そんな折、アリゾナの資産家が五つ子を生んだと知った。
これは不公平だと感じたＨ．Ｉは、子供を１人盗もうと資産家ネイサン・ア
リゾナの屋敷に忍び込んだ。

お勧めポイント

　ニコラス・ケイジ主演のコミカル・ヒューマンドラマです。監督、脚本が
コーエン兄弟というところからも、どのような雰囲気が待ち構えているのか
判ると思います。
　まず、ニコラス・ケイジが若い。髪の毛がフサフサなのを観るだけでも一
見の価値があると思います。若い分、演技も最近の印象と違って見えます。

　盗んだ子供をかわいがりますが、主人公のムショ仲間がやってきて、資産
家の子供であるのを知ってしまい、大騒ぎになります。色々なドタバタが繰
り広げられます。特に大声で叫ぶシーンが多いのは、ちょっと閉口してしま
います。そこは適当にご覧ください。でも賞金目当てのマンハンターがすご
いです。ターミネータさながら、でも刺青がディズニーのキャラクタと、ち
ょっとコミカルなところがご愛嬌です。

　メンタルシネマクラブで一番観てほしいのは、ラストシーンです。盗んだ
ことを後悔したＨ．Ｉは子供を返しにいきます。その時、資産家ネイサン・
アリゾナも彼らの事情を知って同情します。離婚するという二人に「少なく
とも一晩ゆっくり寝たほうが良い」と明かりを消して去っていきます。その
後、Ｈ．Ｉが見た夢がどのようなものであったか。ここだけを見るだけでも、
子供が欲しくなると思います。その前に、温かい家族が欲しくなると思いま
す。ＢＧＭもソフトで、とっても良いです。

　春が近づいてきました。今週はこの作品で、心も温かくしましょう。