作品名
「家族」’70年度作品
監督
山田 洋次
出演
- 倍賞 千恵子
- 井川 比佐志
- 笠智 衆
あらすじ
長崎県伊王島に住む風見精一(井川 比佐志)は決意した。自分らしい仕
事をするため、友人のいる北海道開拓へ参加することを。
開拓作業の苦難を察した妻の民子(倍賞 千恵子)は、一家総出で旅立つ
ことを提案した。一家は、夫婦とおじいちゃんの源造(笠智 衆)、3歳と
1歳の子供が2人という構成だった。
旅の途中、福山で精一の弟と会い、おじいちゃんをお願いするつもりだっ
た。しかし、弟の生活も苦しく、そういう訳にもいかないと判断した民子た
ちは、おじいちゃん共々、北海道へと旅を続けた。
途中、大阪で開催中の万国博覧会へ立ち寄り、食事をするにも大騒ぎをし
たり、東京で赤ちゃんが病気になったりと、風見家の旅は、前途多難であっ
た。
お勧めポイント
長崎から北海道根室までを旅するロードムービーです。
飛行機で3時間ほどの旅では、と安易に考えて頂くと困ります。庶民の交
通手段は電車が主で、新幹線も東京-大阪間しか走っていません。それ以外
の路線は全て特急になるので、早くて3日はかかる旅なのです。さらに、そ
の運賃だけでもバカにならない費用が必要です。
富士山が見えると、おじいちゃんがうれしそうに民子に呼びかけます。疲
れがピークに達している民子たちは、富士山よりは睡眠と眠り続けます。昔
って、富士山を見ると、うれしそうに見つめる人が多かったのを思い出しま
した。
倍賞千恵子さんらの演技が光る作品ですが、特に笠智衆さんは、お祖父ち
ゃん役をやらせたら、やっぱりこの人が一番です。この作品でもお茶目な所
や、一家の長としての言葉など、威厳を感じる存在を演じています。
個人的に懐かしく感じたのは、万国博覧会や、大阪梅田地下街の様子です。
こんな柱があったなと思ったり、阪神デパートってあんな感じだったかと疑
問に感じたり、こういう映像が残っているのは映画ならではの楽しみです。
おそらく、東京の風景等も出てきますので、みなさんも懐かしく感じる場所
があるのではないでしょうか。
5日間の旅ですが、途中で色々な苦難が出てきて、それを風見一家がどの
ように切り抜けていくのか、もうすぐ上映されます「三丁目の夕日」にも通
じる昭和の高度成長期の暮らしぶり、家族の絆を実感することができます。
この作品をみて、オヤジって偉大な存在だったのだと、改めて感心しまし
た。文化の日の今日、「家族」、そして「昭和の文化」を感じさせるこの作品
をゆっくりとご家族でご覧ください。もちろん、独身の方も十分に楽しめる
作品です。
ポイント
笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★★★


