作品名
「東京キッド」’50年度作品
監督
斉藤 寅次郎
出演
- 美空 ひばり
- 川田 晴久
あらすじ
母親が病気で亡くなり孤児になったマリ子(美空 ひばり)は、キャバレ
で働くトミ子と暮らすことになった。トミ子にプロポーズする男性は多かっ
たが、子持ちと聞いてもアタックする流しの歌手サンちゃん(川田 晴久)
と一緒になることにした。
ところがトミ子が事故死してしまうと、マリ子はやっかいものになり、あ
れやこれやとマリ子を手放そうとした。マリ子は気に入られようと必死に振
舞った。そうこうしているうちにマリ子の歌で稼いでいけるようになったサ
ンちゃんは、マリ子と仲良く暮らしていくことを決意した。
マリ子には秘密があった。彼女の父親は大金持ちになってマリ子の消息を
探していたのだが、生前の母親から堅く止められていたのだった。
お勧めポイント
美空ひばりさん主演のコメディ・ヒューマンドラマです。
美空ひばりさんといっても、12歳の少女です。でも歌のうまさは驚きま
す。成人してからのひばりさんの歌声は聞かれた方も多いと思いますが、こ
の映画当時の声の張りは、さらに特筆するものです。
育ての親であるサンちゃんに捨てられないように必死に努力するマリ子の
姿が意地らしいです。でも必死に生きていこうとする姿に心打たれます。
コメディの部分ですが、この当時の超一流芸人が登場します。まず、堺さ
ん。こう聞くと堺正章さんを思い出されますが、そのお父さんにあたる堺駿
二さんです。そして特別出演でエノケンこと榎本健一さん。さらにまじめな
役ですが、マリ子さんの父親役に花菱アチャコさんと豪華メンバーです。
さて「東京キッド」というタイトルですが、マリ子を育てることに決めた
トミ子が父親から目を眩ませるために男の子として育てようとするからです。
今では映画でしか観られなくなった昭和の東京を、庶民の暮らしを、観る
ことができます。ちょっと驚いたのが、アパートの中で、駄菓子を売ること
や、駄菓子売り場を作るために、柱を切り始めたことです。
ポイント
笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★★★


