No.306 シンデレラマン｜メンタルシネマクラブ

作品名

「シンデレラマン」’05年度作品

監督

ロン・ハワード

出演

ラッセル・クロウ

あらすじ

　ジム・ブラドック（ラッセル・クロウ）は、ボクサーだった。世界チャン
ピオンが夢でもないところまで上り詰めていた。だが、右手が故障して以来、
彼は勝てなくなってしまった。

　時は大恐慌を迎えたアメリカでのこと。勝ちに見放されたジムに追い討ち
をかけるかのように、不甲斐ない試合に腹を立てた協会は、ジムからライセ
ンスを剥奪した。

　港で日雇い労働をするジムは、その日の生活にも困るありさまで、一家離
散も現実的なところに迫っていた。でもそれだけはしないと、息子にも誓っ
ていた。

　ジムにチャンスがやってきた。試合予定の選手が負傷して、代役が必要に
なった。相手が強豪で、時間もないということで、誰もひきうける者がいな
かった。それでジムに、その役目が回ってきた。

　このチャンスを活かすことが、当面の生活費を稼ぐことになる。ブランク
のあるジムは、死を覚悟してリングに上がった。

お勧めポイント

　実在のボクサー、ジム・Ｊ・ブラドックの半生を描いたヒューマン・ドラ
マです。
　主演は「グラディエーター」でも勇士を演じたラッセル・クロウです。そ
して、監督がロン・ハワードとくれば、熱く燃える躍動感あふれる作品が当
然です。

　誰のために戦いますか？
　何のために戦いますか？
　守らないといけないものは何ですか？
　もし、かけがいのない家族が苦しんでいるとしたら、どうしますか？

　こんな問いかけが、映画を見ながら始まります。
　この作品は、フィックションなだけに、重くのし掛かります。この作品の
主人公は、わずかなチャンスを、しっかり掴みます。それまでの苦労が彼を
より強い男にしたのが、よく伝わってきます。

　一家離散になりかけた主人公は、家族を養うため、借金を返すため、プラ
イドを捨ててとった行動はなにか、このシーンだけでも熱いものがこみ上げ
てきます。

　強烈なパンチが彼をヒットした。遠のく意識の中、彼に見えたのは、家族
の姿だった。その瞬間、彼の魂は蘇った。

　世界チャンピオンをかけた試合で、最後の最後まで壮絶な打ち合いを続け
るジムに、観衆たちは席を立って、リングサイドへ殺到するシーンも、大感
動です。

　重厚感ある音楽が、場面の印象をより深く刻みます。

　明日は「こどもの日」です。こどもたちには無限の可能性があります。こ
れを読まれている人は、おそらく子どもではないと思います。でも忘れかけ
た熱い想いを、こどもの頃に決めた想いを、もう一度思い出されて、夢を実
現してください。