No.326 大停電の夜に
「大停電の夜に」’05年度作品
源 孝志
クリスマスイブの夜、東京で大停電が起こった。それは混乱だけでなく、
多くの人生にも影響を与えることになった。
OLと不倫している佐伯(田口 トモロヲ)は、地方転勤が決まり、浮気
を清算しようとした。
佐伯からの別れ話にホテルを飛び出した美寿々は、エレベータで停電にあ
った。
佐伯の妻静江(原田 知世)は、夫の浮気に離婚も考えていた。そこへ、
元彼氏の木戸(豊川 悦司)からの呼び出しに動揺した。
定年を迎えた男は、妻から隠し子がいることを打ち明けられた。
出所した男は、元彼女が急に産気づき、電車に乗って病院へと急ぐ途中で
いた。
乳がんで胸を切り取ることになったモデルは、自殺しようとしたところを
少年に止められた。
今日でバーを閉店する木戸に想いを寄せている向かいの店の少女がいた。
静江が来るのを経営しているバーで静かに待つ木戸の元へ、行き場を失っ
た男女がたどり着いてきた。
ロマンチックなアダルト向け童話です。
停電の夜ということで、黒が画面一杯に広がります。そこに、キャンドル
店の少女が所狭しとロウソクを並べますから、それを見ているだけでロマン
チックな気分になります。それを盛り上げるBGMも静かな心地よい音が全
編に流れます。
そして何よりもストーリの素晴らしさです。
いろんな人生があります。いろんなことに悩んでいる人がいます。でもち
ょっと背中を押されたら、それが解決することもあります。停電の夜だから、
普段では言えないことも、闇の力に後押しされて、誰かに話したくなります。
他に何もできないから、人々は語り明かそうとするのです。
ちょっと誰かに話してみる。これって大事なことですね。
クスッと笑えるシーンに、キャンドルショップで、「これください」「あれ
ください」のやりとりがあります。
夜、照明を消してロウソクの光の中で、ワインでも飲みながら、大切な人
とご覧になられたら、普段は話せない思いも届けられると思いますよ。
笑える度 :★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度 :★★★★★
