配信

No.336 狩人と犬、最後の旅

作品名

「狩人と犬、最後の旅」’04年度作品

監督

ニコラス・ヴァニエ

出演

  • ノーマン・ウィンター

あらすじ

 ロッキー山脈の大自然の中、狩りで生計を立てながら、犬や妻と生きるノ
ーマン・ウィンター(ノーマン・ウィンター)がいた。

 狩りに行くのも、人里へ降りるのも、イヌゾリが主体だった。犬が彼のか
けがえのない友達であり、彼らと運命をともにしていた。その犬たちのリー
ダーが、町で事故にあい、死んでしまった。

 代わりに友人から、シベリアン・ハスキー犬を譲り受けることになった。
その犬は優秀なレース犬の血をひいていたが、ノーマンから見ると、頼りの
ない犬に感じた。

 ある日、ノーマンはいつものようにイヌゾリで狩りに出掛けたが、その途
中で凍りついた湖を通り抜けることにした。

お勧めポイント

 ドキュメンタリのような内容で、ノーマンがどのような生活をしているか、
よく判ります。さらによく伝わってくるのが、その寒さです。マイナス40度
もある極限の寒さで、見ている私の手まで悴んで感じました。

 クマに出くわすシーンがあります。映画の冒頭でもクマがカヌーで下る主
人公と出くわすシーンがありますが、この時はお互いの安全距離を保ってい
たので、何事もなくやり過ごします。

 しかし、森で直面してしまったときは、さすがにクマも立ち上がって威嚇
します。それに対抗するように犬も吼え続けます。その中で冷静に、クマを
にらみつけるノーマンがいました。その凄さは画面を通じて、私も背中がゾ
クゾクしました。吼えていた犬も、実は怖く、最後はノーマンの足元に隠れ
る状況でした。人間も、クマも、犬も、みんな動物だと、強く感じました。

 クマも腹を空かしているのではないので、穏便に済ましたいというのが、
一言のセリフもしぐさもありませんが、どこか判ってしまうところが、人間
にも動物の本能があるからでしょうか。

 ノーマンが事故にあうシーンも、本当にどうなるのか、ハラハラドキドキ
してしまいました。

 犬は人間の大切な友人だという人も多いですが、この作品を見て、それが
実感できました。ソリが崖から落ちかけたときも、犬、人間が力を合わせて
踏ん張るシーンも最高です。

 大自然の驚異と、優しさ、その偉大さを感じ、人間というのはとても小さ
な生き物の一つであることが、この作品をみて感じました。

 この作品で、主人公がカヌーに乗って激流を下るシーンがあります。私も
カヌーに乗りますが、あの激流をパドル一つで切り抜けていくのは、簡単な
ことではありません。こちらもよくご覧ください。

 さて、タイトルにある「最後の旅」ですが、主人公も歳を感じて、大自然
で過ごす限界を感じています。でもタイトルどおり、これで最後にしたので
しょうか、その答えは作品をご覧ください。

 いよいよ気候もよくなってきました。今度の休みは、近くの公園や野原へ、
自然を求めて出掛けてみませんか。

ポイント

笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆☆☆
ほのぼの度:★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度  :★★★★