No.338 いつかA列車(トレイン)に乗って
「いつかA列車(トレイン)に乗って」’03年度作品
荒木とよひさ
いつものようにジャズBAR「A-TRAIN」に現れた梅田(津川 雅
彦)は、サックスを練習している丸山(加藤 大治郎)の新曲を聴いた。
梅田は以前から丸山の才能を高く評価していて、今日は著名な音楽家を密
かに呼び寄せていた。
梅田の登場を皮切りに、続々と常連が週末のひと時を楽しみにやってきた。
しかし、このBARにも不況の波が押し寄せていて、ジャズBARだけでは
経営していくのが苦しくなっていた。オーナーは手放すことも考えていた。
やってきたお客たちは、銀行員や元検事、しがないサラリーマン、あるい
はニューハーフなど、さまざまな人生を歩んできた人たちであった。そして
このBARで働く人々にも色々な人生模様があった。
どの人も日ごろの生活を忘れて、今から始まるジャズライブを楽しもうと
していた。
渋いという表現がぴったりのおしゃれな作品です。劇中で流れるジャズも
素敵ですし、セリフも落ち着いた大人の雰囲気で、ゆったりと見ることがで
きます。
たくさんのお客さん、従業員が登場しますが、その誰もが人生の荒波にど
っぷりと浸かっています。それぞれの人生をこの作品の中で、少しずつ垣間
見ることができます。でも一言で言ってしまえば、『みんながんばっている』
ということです。
この作品のタイトルは、ジャズをご存知ないかたでも、知っている人が多
いのではないでしょうか?「A列車に乗って」。この作品、あるいはこの店の
名前がどういう意味をもっているのかは、この作品内で説明してくれます。
わずか103分の作品で、これだけ多くの人を見事に描かれているのは、
すごいと思います。この作品は1955年の「たそがれ酒場」を現代風にア
レンジしたものです。主演の津川雅彦さんを初め、すごい俳優さんが勢ぞろ
いしています。若きサックス奏者を演じる加藤大治郎さんは、大岡越前で有
名な加藤剛さんです。そういえば、目の辺りがそっくりです。
さぁ、この週末はバーボンでも片手に、たばこをくねらしながら、この作
品をゆったりとご覧ください。この作品のテーマは、「人生は、忘れものをさ
がす旅」です。
笑える度 :★★
ファイト度:☆☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度 :★★★★
