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No.351 夜の上海

作品名

「夜の上海」 ’07年度作品

監督

チャン・イーバイ

出演

  • 本木 雅弘
  • ヴィッキー・チャオ

あらすじ

 上海にやってきた売れっ子ヘアメイクアーティストの水島(本木 雅弘)
は、今の恋に行き詰まりを感じて、一人、夜の上海に散歩に出掛けた。
 
 ところが不慣れな上海で迷子になり、おまけに泊まる予定のホテルもパー
トナー任せで、不明だった。
 
 リンシー(ヴィッキー・チャオ)は、タクシーの運転手をやっていた。片
思いの彼はいたが、その彼は別の女性と明日、結婚式を挙げると聞いた。親
友であるリンシーも出席することになった。
 
 リンシーは、誤って水島をはねてしまった。幸い、水島に怪我はなかった
ので、そのお詫びにと、タクシーに乗せることにした。ところが困ったこと
に、それぞれ母国語しか話せなかった。
 
 水島が行方不明になったことを知った水島のスタッフたちは、それぞれ街
に水島を探しに出掛けた。それぞれ気になる人とともに。
 
 

お勧めポイント

 上海を舞台にしたラブ・コメディです。
 
 言葉が通じない初対面の男女が、どうやってコミュニケーションをとりま
すか?ものすごく難しいことのように思えます。でも、一緒にいるだけで、
いろんなことを共に体験するだけで、お互いが判ってきます。男女が知り合
って、恋をするには、言葉なんか関係ないのが、この作品を観て、よく判り
ました。
 でも、最後に必要なのは、やっぱり言葉なのでしょうか。そんなことを感
じました。
 
 共演の人たちも面白い人が揃っています。中でも竹中直人さんがやるブル
ース・リーのモノマネが最高です。一人だけ浮いている気もしますが、これ
もご愛嬌でしょうね。
 
 水島の仕事は、ヘアメイクアーティストということですが、その技術を駆
使して、飾り気のないリンシーがみるみる変身していく姿は、ためいきがで
ます。ちょっとした装飾でまるで違うドレスになるのは驚きました。
 
 リンシー役のヴィッキー・チャオさんは、「少林サッカー」や「緑茶」でお
馴染みの人も多いと思います。キュートな感じの女性ですが、この作品では、
女性タクシー運転手で、汗に輝く顔が、全く別人になってしまう変化を見せ
てくれます。でも物語の前半のエネルギッシュな行動も、よく似合っていま
す。
 
 水島役の本木 雅弘さんは、どこか頼り無げで、影のある男を演じていま
すが、ポツリポツリを話す姿が良く似合っています。リンシーのタクシーに
置いていかれるシーンでも、その悲しげな表情がなんともいえません。リン
シーが気になって戻ってくるのもよく判ります。
 
 物思いにふけることが多い秋が近づいてきました。この作品は、ワインを
飲みながら、ゆったりとご覧頂くのが最高かと思います。

ポイント

笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度  :★★★