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No.396 ライムライト

作品名

「ライムライト」 ’52年度作品

監督

チャールズ・チャップリン

出演

  • チャールズ・チャップリン
  • クレア・ブルーム

あらすじ

 自殺をしたバレーダンサーのテリー(クレア・ブルーム)は、偶然発見し
た同じアパートに住む道化師カルヴェロ(チャールズ・チャップリ)に助け
られた。
 
 リューマチで足が動かないのが原因であった。家賃滞納で部屋を追い出さ
れたテリーを、たまたま助けたというだけで、カルヴェロは自分の部屋で看
病を続けた。テリーの動かない足は、医者の診断によれば、肉体的な病気で
はなく、精神的な理由とのことであった。
 
 カルヴェロはテリーの看病を毎日続け、売れない道化師が仕事であったが、
なんとか二人暮らしていた。カルヴェロの手厚い看病に、いつしかテリーも
心を開いていた。そしてテリーの足は動き始めた。
 
 一緒に住むには結婚していることが必要と家主に言われて仮の夫婦になっ
ていたが、テリーの口から正式な結婚を切り出した。
 
 カルヴェロは初老の紳士で、若いテリーとは全くつり合ってなかったので、
カルヴェロは結婚に二の足を踏んだが、熱心なテリーの言葉に夫婦になった。
 
 幸せがやってきた矢先、カルヴェロはコメディが不評という理由で、突如
クビになり生活を圧迫した。しかし、歩けるようになったテリーは、バレー
ダンサーのオーディションを受けて、見事に主役の座を射止めた。
 そしてテリーの舞台にはカルヴェロもチョイ役で登場することになった。
 だが、テリーの成功はカルヴェロの心に重圧をかけていった。
 
 

お勧めポイント

 チャップリンの代表作の一つです。
 物悲しいメロディを、一度は聞いたことがあるはずです。
 
 主人公のカルヴェロは初老の紳士、かたやテリーは若い女性。その年齢差か
らくる苦悩がうまく描かれています。テリーの成功を手放しで喜ぶカルヴェロ
も、以前テリーが思いを寄せていた若い男性の出現に、自分が身をひくことを
考えます。
 
 劇中劇も感動します。舞台が大成功に終わり、テリーと抱き合って喜ぶカル
ヴェロの笑顔が何ともいえません。自分のことのように、心の底から喜んでい
る様子がヒシヒシと伝わってきました。
 
 また、舞台袖でプレッシャーから足が動かなくなったテリーを本気で殴りつ
けて、それが気の迷いであることを諭させるカルヴェロや、クビになって落ち
込むカルヴェロを励ますテリーの姿など、どれも感動ものです。
 
 人を愛するのは無償の行動といわれますが、この作品の主人公たちは、それ
を苦とも思わずやります。互いを思う心は何かにつけて相手のことを考えてい
ます。その思いが空回りするのは、本当にもどかしいことです。
 
 出会いはどこであるか判りません。また相手との年齢差に制限はありません。
ちょっとしたきっかけで愛は始まります。今、一人だからと決して悲しまない
でください。明けない夜はありません。
 
 売れなくなった道化師が、自分はまだまだやれると舞台に立つ様子など、チ
ャップリン自身のことかと思えるようなシーンもあります。また、バスター・
キートンとの共演は、さすがに喜劇の王様たちです。息があった掛け合いをみ
せてくれます。
 
 どうかこの作品をご覧になって、心から温もってください。ホットミルクや
ホットミルクティなどが、この作品に似合うでしょうか。

ポイント

笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度  :★★★★