配信

No.403 東京原発

作品名

「東京原発」 ’02年度作品

監督

山川 元

出演

  • 役所 広司
  • 段田 安則

あらすじ

 東京都知事の天馬(役所 広司)は、東京に原子力発電所を誘致すると言
い出した。緊急会議に集まった局長たちは、都知事の爆弾発言に驚くしかな
かった。
 
 局長たちの動揺と裏腹に、都知事は新宿中央公園に原子力発電所を作ると
都民に緊急会見するとまで言い出した。それで局長たちも慌てて原発誘致を
議論し始めた。経済効果による財政の悪化を改善できる点など、悪い面ばか
りでもなかったからである。
 
 しかし、どの局長も原発問題は東京都には無関係とばかり思っていたので、
判断できる知識を持ち合わせていなかった。そこで、専門家を招いて、話を
聞くことにした。
 
 専門家である原子力安全委員と東大物理学博士の言い分は、まるで違うも
のであった。
 
 

お勧めポイント

 2002年に上映された作品です。製作、上映された頃には、今日の状況はまる
で想定されていなかったはずです。でも、今見ると、この作品で議論されてい
ることは、ぞっとするぐらい現在を言い当ててます。
 
 この作品で専門家が提示するデータには福島も載せられています。その危険
性はどの程度か、この作品を観られて判断してください。
 
 これはどこまでが事実なのか、プロトニウムの原料が都心を輸送される話も
出てきます。物語の後半はこの話で事件が発生することでまとめています。
 
 都心をプルトニウム原料を輸送する件を、天馬都知事も知らないということ
で、「責任者は誰だ」と都知事が怒鳴るシーンがあります。その返答は「国が
やる事に責任者はいない。」と言い返されます。
 
 また、「危険性はどの程度か?」という問い掛けに、「危険性は天文学的数字
です。」と言われ、集まった局長たちは「具体的に出せないから天文学的数字
なんだ。」と判断します。
 
 この作品、まじめに観ると、本当に怖くなる物語です。あまりにもシリアス
です。でも、登場人物のほとんどは恍けた人で、コメディタッチになっている
ので、安心して観られます。
 
 この作品の場合、都知事はいい加減な気持ちで東京原発を唱えているのでは
なく、真の狙いが別にあります。知事の言葉に、「人間は過去の事には関心が
ない。終わった事はすぐに忘れる。」というのが印象的でした。
 
 今、この作品をご覧になられて、自分はどう思うのか、じっくりと判断して
ください。

ポイント

笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆
ほのぼの度:★
スッキリ度:☆☆
感動度  :★★