配信

No.414 英国王のスピーチ

作品名

「英国王のスピーチ」 ’10年度作品

監督

トム・フーパー

出演

  • コリン・ファース
  • ジェフリー・ラッシュ

あらすじ

 英国王の次男ジョージ6世(コリン・ファース)は、人前で話すのが大の苦
手だった。立場上、スピーチする必要も多々あったが、汗だくになりながらも、
なんとかこなしてきた。
 
 スピーチが苦手なのは理由があった。幼い頃から吃音症を患っていたからで
ある。だから極度に緊張し、思うように話せなくなってしまうのだった。
 
 ジョージの吃音症を直すため、数多くの学者がジョージの元にやってきた。
でもいずれもうまくいかず、ジョージも自棄を起こして治療を拒否してしまっ
た。
 
 妻エリザベスは、オーストラリア人でスピーチ矯正の専門家ライオネル(ジ
ェフリー・ラッシュ)を訪ねた。ライオネルはズケズケと物を言う人物で、そ
の方法は風変りだと聞かされていた。それでも祈る思いで、彼に会うことにし
た。
 
 ジョージと対面したライオネルは、彼に幾つかの質問をした。そして風変な
テストをしたことで、ジョージは怒って帰ってしまった。
 
 数日後、ライオネルから持たされたレコードがあるのを思い出した。それに
はテストで朗読したジョージ自身の声が録音されている。それを聞いたジョー
ジは、我が耳を疑った。普通に、しかも堂々とスピーチしている自分の声を聴
いたからだ。
 
 

お勧めポイント

 これは実話です。イギリス国王ジョージ6世の物語です。
 ジョージは次男でしたが、兄エドワードが有名な事件で国王を退位したため、
ジョージが変わって即位することになります。
 
 みなさんの中でもスピーチが苦手という方は多いと思います。いざ始めると、
何をしゃべっているか分からなくなって、シドロモドロで終わってしまうこと
もあるかと思います。私もいまだにスピーチは苦手です。でもスピーチの数が
多いほど、段々余裕がうまれてきます。慣れてしまうと、もっとみんなを惹き
つけてやろうとか、もっと笑かしてやろうとか、調子に乗ってしまいます(笑)。
 
 初めてスピーチする人は、だいたい二分されるようです。1)何を言ってい
るか分からなくなって、話す予定だったことの半分も話せない。2)何を言っ
ているか分からなくなるが、居直って堂々と話す。
 2)の人は、スピーチの才能が高いようです。あとは慣れと練習のようです。
 
 さて、この作品のスピーチ矯正のやり方は、ユニークです。楽しみながらや
ることが何事にも通じる方法かと思います。この作品を観て、いくつか試して
みるのも良いかなと思いました。
 
 ジョージもライオネルも、どちらも生真面目な方です。特にライオネルは役
者も目指していて、子供たちに劇のタイトルを当てさせる楽しい人です。
 ジョージの方は、何かとコンプレックスをもっています。吃音症になったの
も、幼いころに厳格に育てられたのが原因だそうです。ジョージに限らず、吃
音症の原因は、幼い頃の出来事に関係するらしいです。
 
 ライオネルが患者に向き合う時に大切にしているのが、対等な関係と信頼関
係です。たしかに信頼関係って重要ですね。信頼関係がないと、出来ることも
できなくなるのは、私もよく経験しました。また、上下関係がある場合、遠慮
したり、高飛車になったりするのを懸念してのことです。
 
 物語の最後には立派なジョージのスピーチを聞くことができます。その傍ら
に佇むライオネルの姿もあります。
 
 時はヒットラーが登場して、イギリスが戦争に突入しようとしています。真
の国王が必要な時だけに、ジョージも必死です。
 
 人前で話す機会がある人は、いえ、ほとんどの人は人前で話す機会があると
思いますが、どうぞ、この作品を参考されてみてはどうでしょうか?できれば
英語のまま聞かれた方が、よく理解できると思います。

ポイント

笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度  :★★★★