配信

No.427 ステキな金縛り

作品名

「ステキな金縛り」 ’10年度作品

監督

三谷 幸喜

出演

  • 深津 絵里
  • 西田 敏行
  • 阿部 寛

あらすじ

 弁護士の宝生エミ(深津 絵里)はドジの連続であった。所属する法律事務
所の所長速水悠(阿部 寛)からは、これが最後のチャンスだと不思議な事件
の弁護を任された。
 
 その事件は殺人容疑をかけられた矢部五郎が、当日のアリバイは金縛りにあ
っていたことだと主張していた。
 
 容疑者が主張する旅館を訪れたエミは、金縛りにあったという部屋に泊まっ
た。その夜、たしかに落ち武者が現れた。彼は更科六兵衛(西田 敏行)とい
い、事件当夜、矢部五郎の寝床を襲い金縛りをしたと証言した。
 
 矢部五郎の主張は真実だった。エミはさっそく更科六兵衛を連れて東京に戻
った。しかし大きな問題があった。更科六兵衛の姿はエミを始め、一部の人に
しか見えなかったのである。
 
 エミにとって敗訴するわけにはいかない弁護であった。はたしてエミは勝訴
できるだろうか。がんばれエミ!
 
 

お勧めポイント

 三谷幸喜監督の最新作です。
 今までの三谷作品より小粒な感じがする作品です。ほとんど主演の深津絵里
さんの演技に頼っています。
 でもこの深津絵里さんの演技が素晴らしいです。『踊る大捜査線シリーズ』
でも深津絵里さんのとぼけた演技が光っています。この作品でも最高です。十
代の幼さがあるかと思えば、二十代のエネルギッシュなウーマンも、時にはア
ダルトな三十代の女性も、どれも深津絵里さんです。不思議な魅力のある女優
さんです。
 
 本作ではこれが大当たりです。さらに共演の素晴らしいこと。三谷作品には
お馴染みの西田敏行さん、戸田恵子さん、佐藤浩市さんから始まり、阿部寛さ
ん、中井貴一さん、竹内結子さん、浅野忠信さんなど、ちょっと出てくる人で
も、おぉーと声をあげてしまいます。これだけのメンバーが集まれば、面白く
ない訳はないでしょう、と思います。
 
 本作はほとんどの人間には見えない亡霊ということで、出演者が一人芝居す
るシーンがよくあります。これもバカバカしいと思いながらも、とっても楽し
いです。見ていて、ついつい笑ってしまいます。特に中井貴一さんに注目です。
 
 よく、純粋な人には見える、何か訴えたいことがあるから聞いてくれそうな
人に姿を現すとも言います。背後霊や守護霊の存在って、信じたくなりますよ
ね。いつも見守っていてくれる人がいると思うと、なんか安心できます。誰も
いない方へ向かって、話しかけてみる、なんていう一人芝居も元気が出そうで
す。作品中の1時間43分ぐらいからのシーンでの深津絵里さんの一人芝居は
元気100倍です。
 
 さて、死者が犯罪の行方を左右するというストーリで思い出すのが、『羅生
門』です。死者の証言により、犯罪が二転三転する物語です。死してもなお、
ウソをつき続ける人もいます。本作では正直者ですから良かったですね。死者
までがウソをつき始めたら、人間界の裁判では判決が出来ないです。それこそ
支離滅裂なコメディ裁判になるでしょうね。
 
 この作品、一人で観ても、みんなで観ても、楽しめる作品です。テレビ放映
で観たことがある人もいると思います。もう一回観ても楽しめますし、再度観
ても笑えます。私は10回ぐらい観てますが、未だに笑っています(注:頭が
おかしいのでありません;念のため)。
 
 最後に、変わった局面からの楽しみ方です。この作品には多くの役者さんが
登場しています。エンドロールを見ると、「大泉洋」さんの名前があります。
では大泉洋さんはどのシーンで登場しているのでしょうか?これが判るまで、
何回でも楽しんでくださいね(笑)。本当に出てますよ。名前だけではありま
せん。

ポイント

笑える度 :★★★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度  :★★