作品名
「川の底からこんにちは」 ’09年度作品
監督
石井 裕也
出演
- 満島 ひかり
- 志賀 廣太郎
あらすじ
佐和子(満島 ひかり)は、上京して5年目を迎え、5つ目の仕事につき、
5人目の彼氏である新井と付き合っていた。
今は派遣による事務員で働いていた。その会社の課長が新井であり、加代
子という幼い子がいるバツイチの男であった。
佐和子に上昇志向はなく、会社も男もこんなもんかという気持ちで選んで
いた。なぜなら、自分は中の下だからという妥協があったからだ。煩わしい
人間関係から逃れるために、転々と渡り歩いていた。
佐和子の実家はシジミの水産業を、父忠男(志賀 廣太郎)が営んでいた。
だが、肝硬変で入院したという知らせが佐和子に届いた。
佐和子には帰郷できない理由があった。佐和子は父の再婚が不満で、高校
の先輩と家を飛び出した過去があったからだ。
新井は突如会社を辞めて、佐和子の実家を手伝うと言い出した。何の人生
設計もない佐和子は、新井に連れられるように帰郷した。
叔父の信夫は佐和子の帰郷を喜んで迎えたが、水産会社の女工員たちは揃
って佐和子に反発した。というのも佐和子が駆け落ちして父親との連絡を絶
っていたのを知っているからだった。
入院した父親に代わって会社を任されたが、特に何かをするでもなく過ご
していた。そしたら新井は女を作って東京へ逃げてしまった。おまけに会社
の売り上げは激減し、倒産も近い状況に追い込まれた。
どうする?佐和子!
お勧めポイント
満島ひかりさん主演のコメディ作品です。
一言で書けば、“何か元気が出る”作品です。
佐和子は自分のことを中の下だと思っています。だから誰に対しても、逆ら
わない処があります。面倒くさいからと、彼氏の連れ子も自分の子供だと言っ
てしまいます。話し方も独特で、物語の前半は不思議系の人物です(笑)。
そんな佐和子が変わります。いろいろなことがあって、プッツンしたから、
居直ったから、今までの佐和子がウソのように、自分を前面に出します。話し
方が変わり、目も生き生きとしてきます。
この辺りは、満島ひかりさんの演技が輝いています。
この作品には裏話があります。
佐和子の役をどうしてもやりたかった満島ひかりさんは、監督の石井裕也さ
んに熱烈なアプローチをしました。それが過ぎて、こんなストーカーのような
女優さんとは一緒に仕事したくないと石井裕也監督は思ったらしいです。とこ
ろがクランクアップしてみれば、ご結婚する仲になっていました。この作品以
上に、現実は不思議な縁があるものですね。お幸せに。
この作品を観て、「人間って身勝手なものだな」と思いました。みんな自分
の都合で生きている。でも「一生懸命生きている人は不器用でも応援してもら
えるんだな」とも思いました。
この作品で面白いのは、水産会社の唄です。歌詞も凄いですが、みんなが必
死に歌っているのが凄いです(笑)。あと、佐和子は寝る時、電灯を足で消し
ます。私だったら、あんな消し方をしたら、眠れなくなると思います(爆)。
この作品を観たら飲みたくなるのが、シジミ汁でしょうね。予め用意してご
覧ください。身体にも良いですよ。心も身体もホカホカになれます。
ポイント
笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度 :★★


