作品名
「アーティスト」 ‘11年度作品
監督
ミシェル・アザナヴィシウス
出演
- ジャン・デュジャルダン
- ベレニス・ベジョ
あらすじ
1927年のLAは、サイレント映画真っ盛り。ジョージ・ヴァレンティン(ジ
ャン・デュジャルダン)は、チノグラフ社の大スターだ。彼の言動全てがマ
スコミの話題になり、映画館は満員御礼だった。
若手女優ペピー・ミラー(ベレニス・ベジョ)は、ジョージに憧れていた。
売れない女優のペピーにもジョージは優しく接してくれたからである。ジョ
ージから女優で大成するにはと、口元にホクロを書くことを教えられた。
徐々にペピー人気は高まっていった。それは彼女の若さ溢れる演技に大衆
が魅了されたからであった。
1929年、トーキー映画が全面的に作られることになった。チノグラフ社は
サイレント映画の制作を中止した。それはジョージがスターを転落すること
を意味していた。
自主でサイレント映画を作って巻き返しを図るジョージだったが、時はト
ーキー映画の時代になっていて、ジョージの作品『愛の涙』は閑古鳥が鳴い
ていた。一方、同じ日に上映されたペピー主演の『つけぼくろ』は長蛇の列
ができる大盛況だった。
ジョージに追い打ちを掛けるように株が大暴落し、ジョージは破産へと追
い込まれていった。
お勧めポイント
2011年作品ですが、ほぼサイレント&モノクロ映画です。もっとも音楽は全
編を通じて流れています。
耳から入ってくるのは、ほぼ音楽だけなので、画面を凝視してしまいます。
また、恐ろしいほど静かな時間であると感じます。この作品を観たら、他の映
画は騒がしく思えます(笑)。その静かな画面によく似合う物語です。音楽が
とても良いのが作品の印象をアップしています。
二人の微笑ましいシーンが連続です。壁越しにタップダンス、映画のワンシ
ーンでダンスなど、どのシーンも良いです。特に好きなのが、愛しのジョージ
のコートを見かけたペピーが、そのコートを相手に愛しさを表現するシーンで
す。
ジョージは良い意味で役者馬鹿です。人間的には繊細で人懐こい人です。だ
からペピーや付き人のクリフトンから愛されます。彼が落ちぶれても、一向に
彼らの愛情は変わりません。
さらに彼には親友ともいえるものがいます。それは彼の愛犬UGGYです。
UGGYの演技は最高です。この犬の名演にも注目してください。
この作品に登場する役者さんたちで一番気になったのが、顔の表情です。
時々テロップが出たりしますが、ほとんど表現力だけで演技しなければなりま
せん。悲しい顔、笑った顔、幸せな顔、愛しい人を見る顔、いずれも表情だけ
で、十分に私たちに気持ちを伝えてくれます。
この作品は、ワインでも片手にゆったりと楽しんでください。出来れば最愛
の人とご一緒に。
ポイント
笑える度 :★★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆☆
感動度 :★★★★


