配信

No.439 飛ぶ教室

作品名

「飛ぶ教室」 ‘03年度作品

監督

トミー・ヴィガント

出演

  • ウルリッヒ・ノエテン
  • セバスチャン・コッホ
  • アーニャ・クリング

あらすじ

 聖トーマス学校に一人の転校生がやってきた。転校生の名前はカトリン(ア
ーニャ・クリング)と言い、問題児として6回退学させられていた。
 
 聖トーマス学校は、合唱団が有名で毎年クリスマスにテレビ放映されるほ
どだった。カトリンが転校してきたのは、正にクリスマス間近な時だった。
 
 寄宿寮の仲間は、マッシ、ウリー、クロイツカム、マルティンであった。
彼らはカトリンを温かく迎えた。
 
 カトリンが空港で拾った子犬は、寮では飼えないので、隠れ家に連れて行
くことにした。その隠れ家にボブ(セバスチャン・コッホ)という男がやっ
てきた。隠れ家は、ボブの所有物であるのが判った。ボブは、彼らが聖トー
マスの学生であるのを知ると、彼らに隠れ家を使うことを許可した。
 
 聖トーマス学校ではクリスマス恒例の劇をしていた。今年の出し物は、隠
れ家で見つけた「飛ぶ教室」という脚本に子供たちは決めた。カトリンはそ
の脚本を元に自分たちの「飛ぶ教室」を創作した。
 
 ところが、練習風景を見学したベク先生(ウルリッヒ・ノエテン)は、劇
の中止を言い渡した。いつもは温厚な態度だけに、何が気に障ったのか。
 人一倍やる気を見せていたカトリンは、劇の中止に激怒した。
 
 

お勧めポイント

 ドイツの作家エーリッヒ・ケストナーさんのベストセラーを、現代的にアレ
ンジした作品です。
 
 多くの子供たちが登場します。その子供たちは、いろんなことを考えていま
す。また、いろんなことに悩んでいます。大人から見れば、いえ、子供同士で
も、ちょっとしたことに思えても、本人は大まじめです。周りの対応によって、
彼には一生のトラウマやコンプレックスになってしまいます。
 
 この作品では問題を抱えた人が多く登場します。実際、問題を抱えていない
人は少ないでしょう。ノー天気そうな校長先生でも悩んでいることがあります。
 
 ベク先生は非常に生徒想いです。でもそれにも理由があるのです。大人は多
かれ少なかれ、教師の影響を受けています。
 
 さてこの作品の一番の見せ場は、クリスマス劇です。これは本当に楽しいで
す。実際に見られるなら、学校に出掛けたいくらいです。子供たちの表情は輝
いています。ベク先生のためにも必死になっているのも素晴らしいです。
 
 12才前後の子供たちが織り成す楽しいクリスマスの一幕をぜひご覧にな
られて、子供の頃を思い出してみてください。
 
 冒頭にエーリッヒ・ケストナーさんの言葉が紹介されています。
 『どうして大人は、子供時代のことをすっかり忘れてしまうのだろう』
 『子供というものは、時にひどく悲しく不幸になってしまう、ということを
決して忘れてほしくない』
 

ポイント

笑える度 :★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度  :★★★