配信

No.455 マーガレット・サッチャー

作品名

「マーガレット・サッチャー」 ‘11年度作品

監督

フィリダ・ロイド

出演

  • メリル・ストリープ

あらすじ

 マーガレット(メリル・ストリープ)は、庶民の家に生まれた。彼女の家
は食料品店を営んでいて彼女もその手伝いをしていた。
 
 マーガレットは、景気が低迷している英国を再建すべく立ち上がった。国
を変えるため政治家になろうと決意した。だが24歳の小娘の言うことを誰
も信用せず、彼女は落選した。
 
 その彼女を支えてくれたのがデニスだった。彼は小娘から主婦になれば女
性層の支持を得られると、マーガレットにプロポーズした。結婚しても主婦
に専念するつもりがなかった彼女はデニスの言葉を受け入れた。
 
 1959年、彼女は初当選した。だが議会は男中心の社会であり、マーガ
レットの支持議員は少なかった。それでも当初の目的を果たすため、彼女は
突き進んだ。徐々に彼女を支援する人が増え、英国初の女性首相になるべく
立候補した。
 
 彼女を傍で支えるデニスの姿は、結婚前と変わらず続いていた。
 
 

お勧めポイント

 首相は孤独な立場。何を決断するにも賛同と非難が寄せられる。でも改革に
はそれらの声を無視するわけにはいかない。
 
 英国サッチャー首相の物語です。本作ではサッチャー首相の公では見ること
が出来ない、個人としての姿が細かく描かれています。そこには「鉄の女」と
呼ばれる強気な面だけではなく、女性としての弱い面が多々あります。彼女を
支え続けた夫デニスさんがすでに亡くなっているのに、その幻に悩まされてい
ます。酒におぼれ、現実と幻の区別がつかなくなっています。
 
 政治家を志した頃のマーガレットさんは、若く夢にあふれ、怖いものなど何
もないような感じだったのが、信じられないくらいに落ち込んでいきます。そ
れほど激務であり、多くの決断をしたということなのでしょう。またそのため
にデニスさんを含め多くの犠牲を払っているからでしょう。
 
 主演はメリル・ストリープさんです。本作でアカデミー主演女優賞を獲得し
ました。その時のステージでの挨拶でも、サッチャー首相のマネをされていた
のが印象に残っています。
 
 実際のサッチャー元首相ですが、つい先日お亡くなりになりました。本物の
お声を聞きますと、本当にメリル・ストリープさんの声が似せているのが判り
ます。話し方の特徴を的確にマネされています。ここまで役作りをされていた
のだと、つくづく名優の凄さに驚きます。またメーキャップも限りなくサッチ
ャー首相に似せています。
 
 何かを成す為には強い意志が必要です。それが国を変えるためであれば、そ
の苦労は如何ほどのものであるか、私には想像も出来ません。マーガレット・
サッチャーさんの強い意志が現在の英国を作ったと思います。ご冥福を心より
お祈りします。

ポイント

笑える度 :★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度  :★★★