作品名
「しゃべれども しゃべれども」 ‘07年度作品
監督
平山 秀幸
出演
- 国分 太一
- 香里奈
あらすじ
三つ葉(国分 太一)は東京で二つ目の噺家だ。早く真打ちに成りてえが、
師匠の今昔亭小三文に言わせると、「まだまだ分かっちゃいねえ」そうだ。
その三つ葉の所に、知り合いから「話し方教室」の話がきた。なんでも、
大阪から転校してきた小学生がクラスメイトと解け込めずにいるのをどうに
かしてえそうだ。三つ葉は話のプロだから、それぐれえ分けもねえだろうと
いうあんばいよ。
さらにその話をどこからか聞きつけて、むっつりとした大男もやってきた。
この男、実はプロ野球選手なんだそうだ。現役引退してテレビ解説者になっ
たが、からっきし喋りヘタでクビになりかけているそうな。
あと、三つ葉と口論したことが縁で来ることになった女がいた。この女、
結構な美人なんだが、愛想のねえ女でいつも無愛想な顔をしている。名は、
十河五月(香里奈)と言って、やっぱ自分でも無愛想なのを気になってたら
しく、参加することになった。
三つ葉は話し方のプロには、ちげえねえが、まだまだ二つ目で自分の道も
開けらんねえ、そんな男に三人の迷える人たちを助けることが出来るのか、
そいつはおいらにも判んねえさ。
でも気は短けえが、バカ真面目な三つ葉のことだ。彼らをなんとかしよう
と頑張ったよ。もっとも、頼まれた小学生の姉貴に、ほの字という下心があ
ったのが一番の理由なのを、おいらは知ってるさ。
お勧めポイント
みんな、何とかしたいと思ってる。このままじゃ、だめだから。
落語を題材にしたハートフル・コメディ作品です。
まず主演の国分太一さんですが、本当の噺家のように役を演じています。
予告編でそのシーンが流れたのですが、それだけで観たいと思いました。そ
れに粋な江戸っ子気質も板についています。元々、出身は東京でした。
共演の香里奈さんは無愛想な女という役柄なので、あまり多くは話さない
ので、素の香里奈さんはどうなのかと気になりました。
そして大阪からやってきた小学生ですが、彼はコテコテの大阪弁を話しま
す。森永悠希くんですが、実は彼、プロの落語家です。作品中でも桂枝雀さ
んの落語に惚れこんで「饅頭こわい」を演じます。
さらに、むっつりとした大男に「孤独のグルメ」でお馴染みの松重豊さん
が登場します。中継では口下手ですが、個人的な会話なら辛口の解説が出来
るプロ野球選手を演じます。
あと、色々な人が出ていますが、特筆すべき人に、落語監修として“古今
亭菊志ん”さんがいます。落語指導だけでなく、作品中にもほんのわずか登
場されています。この人の落語も無茶苦茶で大好きです。「インターネット落
語会」で何度か見ました。
この作品を観たら、生の落語を聞きたくなります。私がこの作品を観た後
は、浅草演芸ホールに行きました。小さな寄席は噺家さんの声が場内の隅々
まで響き渡って、さらに観客との掛け合いも楽しめました。噺家さんって空
気が読めて、機転の利く人達だなと感心しました。
この作品は、渋く熱いお茶にお煎餅が良く似合う作品です。あと「もりそ
ば」も食べたくなると思います。
ポイント
笑える度 :★★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度 :★★★


