作品名
「アイガー北壁」 ‘08年度作品
監督
フィリップ・シュテルツェル
出演
- ベンノ・フユルマン
- ヨハンナ・ヴォカレク
- フロリアン・ルーカス
あらすじ
1936年ベルリンオリンピックを控えたドイツで世界を驚かせる発表があっ
た。ヨーロッパ最後の難関と言われる『アイガー北壁』を制覇したドイツ人
に金メダルを授与するというものだ。
新聞社に入社したルイーゼ(ヨハンナ・ヴォカレク)は、会議で幼馴染の
名を聞いた。それはトニー(ベンノ・フユルマン)とアンディ(フロリアン・
ルーカス)という登山家であった。彼らなら『アイガー北壁』を制覇できる
かもしれないということだ。
トニーとアンディは『アイガー北壁』をやるか思案したが、軍隊を辞めて
も登る決意をした。
アイガーには彼ら以外にも有名な登山チームが大挙した。一番のライバル
はオーストリア人のチームだ。登山家以外にも多くの見物客、報道関係者で
麓は一大観光地と化していた。その中にルイーゼも見習いカメラマンとして
やって来ていた。
7月18日、月の輝く夜トニーとアンディは密かにテントを抜け出しアイ
ガー北壁を登り始めた。
お勧めポイント
大自然の脅威は人間も生き物の一つだと知らされる。
実話を元にした作品です。アルプス史上最大の事件と呼ばれる物語です。
日本の槍ヶ岳を巨大化したようなアイガーの北壁は、映画で見上げても脅威
を感じます。正に壁です。夏だというのに雪も積もっています。
全編の半分以上は山の中です。空中から撮影したシーンや観光客が中腹の展
望台で見下ろすシーンはぞっとします。こんな壁を人間の手だけで登れるもの
か!と思ってしまいます。
この物語には2つの登山チームが登場します。ライバルということで同じル
ートを選びます。これがそもそもの間違いの始まりです。どこに問題があった
のか、どうすればよかったのか、観終わった後、色々と考えてしまいます。結
果論を言っても仕方がありません。彼らの行動のほとんどは正しい選択だと思
います。山男は紳士的な規範に基づくと言われますが、正にそのとおりの行動
です。
ザイルと呼ばれる一本のロープでお互いの体を結び、互いの安全を確保しま
す。一人が転落したらもう一人がパートナーを支えます。ザイルは命綱です。
ザイルが切れるのは自然か故意だけです。だからパートナーとの信頼は一生物
です。
壁を横断するテクニック(トラバース)があります。マンガでは見たことが
ありますが、実際にそれをやるのは初めてです。CGを使わずにやっているよ
うで、このシーンだけでも手に力が入りました。
トニーの言葉が印象に残りました。『選んだ道だから』
ルイーゼからのメッセージも心に響きます。
エンドロールの重々しい音楽で終わりかと思いきや、最後の最後に観た者を
勇気づけてくれるものが残されてあります。どうぞ最後の最後まで観てくださ
いね。
置いていないレンタル店もありますが、ちょっと探せば置いてあります。最
近は取り寄せが出来る店もあります。ぜひご覧ください。
ポイント
笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★
スッキリ度:☆
感動度 :★★★★


