作品名
「みなさん、さようなら」 ‘11年度作品
監督
中村 義洋
出演
- 濱田 岳
- 倉科 カナ
あらすじ
1981年、団地に住む渡会【わたらい】 悟(濱田 岳)は、扶六小学校を
卒業と同時に、これからの人生を団地だけで過ごすと決めた。そのために団
地外にある中学校への通学も拒否した。
母親や担任教師は、団地だけで一生を過ごすことなど出来ないと説得した
が、悟は頑として受け付けない。団地内には就職先もあるし、教育はラジオ
の通信教育で大丈夫と言い張った。
悟は身体を鍛えた。団地は自分が守ると心に誓ったからだ。
中学卒業の歳になると、悟は団地内で働くことにした。いつも行く洋菓子
屋で雇ってくれることになった。母親の援護が功を奏した。
成人になった悟は、小学校の同窓会で憧れの緒方早紀(倉科 カナ)と再
会した。そして緒方と付き合うことになった。緒方も団地内にある幼稚園で
働いていたからデートも容易かった。
107人いた同級生は、成長と共に団地を去って行った。
お勧めポイント
団地にはすべてがある。でも人が成長するには狭すぎる。
中村義洋監督と濱田岳さん主演のゴールデンコンビです。二人の共演作には
「アヒルと鴨のコインロッカー」「ポテチ」があります。
まず驚くのが大前提です。「団地内だけで生きていく」
そんなことが可能なのか考えてしまいました。団地の様子を伝える特報を冒
頭で観られます。それを観るとなかなか道理に叶っています。たしかに生活用
品を揃えることも仕事に就くことも可能です。現在ならネットの利用で団地で
なくても、快適な生活を続けることが出来ます。
団地は同じ間取りが多く、どこも似たように見えます。でも住んでいる人は
違うので同じに思えません。住居者の個性がそれぞれの家に宿っているからで
す。
主人公の悟は友人や大切な人が団地を去るのをいつも眺めながら暮らしま
す。恋人に団地を出ることを嘆願されても彼は団地の階段を降りることが出来
ません。実は彼が団地だけで過ごそうと決めたのは、ある事件があったからで
す。それが彼を団地に閉じ込め、強くなろうと決意させたのです。
主人公の濱田 岳さんですが、この作品で12歳から30歳までを演じます。
どの歳でも違和感がないのは凄いことです。特にメイクやCGを使っている訳
でもないのにそれ相応の歳に見えるのは、振る舞いや言葉使いのせいでしょう
か?元々、濱田岳さんは年齢不詳な感じでしたが、この役はぴったりに思えま
す。
さてこの物語の結末はどうなるのでしょうか?始まる前から疑問に思って
いましたが、その結末はご自分の目でご覧ください。
観終わる頃には何かを悟るように思えます。
就活が1時間で終了するのは笑えます。
この週末はこの作品を楽しんでくださいね。
ポイント
笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★★★


