配信

No.498 ツナグ

作品名

「ツナグ」     ‘12年度作品

監督

平川 雄一郎

出演

  • 松阪 桃李
  • 樹木 希林

あらすじ

 渋谷歩美(松阪 桃李)は、ツナグをやっている。これは仕事ではなく、
ボランティアのようなものだ。報酬は一切受け取らず、その存在も都市伝説
のように語られるだけだ。
 
 だがツナグは実在していて、代々受け継がれてきたのだ。歩美も大人にな
り、それを引き継ぐ時がきた。今は歩美の祖母であるアイ子(樹木 希林)
が正式に継承したツナグだった。
 
 ツナグとは、亡くなった人とこの世に残された人を繋ぐ行いだ。お互いの
同意があれば、一度だけ引き合わせることが出来る。時間は夕方から明け方
までの陽が隠れている間だけだ。
 
 亡くなった母親にもう一度会いたい息子
 親友を死なせてしまったことを後悔する女子高生
 消息不明の婚約者に、その理由を確かめたい男
 

お勧めポイント

 亡くなった人も、残された人も、もう一度話したいことがある
 
 オムニバス形式の人間ドラマを、感動と涙で綴ります。
 突如会えなくなったら、そして言い残したことがあるなら、あなたはどう
するでしょうか?現実にはどうしようもありません。終わることのない自己
嫌悪に陥るだけかもしれません。でもその自己嫌悪が誤解の場合もありま
す。相手は何とも思っていなかったり、自分の思い違いかもしれません。
 
 私が一番好きなのは、女子高生の物語です。橋本愛さん演じる女子高生
は、亡くなった親友に謝りたいことがあります。そのためにツナグを利用す
るのですが、どうしても謝れずにいます。真実が判った時、死してなお、清
く壮大な愛情に、涙なくして見続けることはできませんでした。親友役の大
野いとさんは、役柄にピッタリの優しい声がより涙を誘いました。
 
 ツナグは双方一回しか叶わないことになっています。自分が希望しても、
相手は違う人と会いたいと望んでいるかもしれません。会うのを拒絶するか
もしれません。
 
 ツナグが実際にあれば良いですね。でも悲しいことに存在し無いのだか
ら、人とのふれあいは大切にしなければならないと感じました。もし相手が
生存しているなら、今のうちに胸のうちを告げることが重要だと気づかされ
ました。
 
 物語はツナグ自身の辛さも紹介されます。生きる者全てが他人からは分か
らない悲しみを背負って生きているのですね。
 エンドロールの樹木希林さんの言葉も注意して聞いてください。
 

ポイント

笑える度 :★
ファイト度:☆☆
ほのぼの度:★★★
スッキリ度:☆☆
感動度  :★★★★