作品名
「おじいさんと草原の小学校」 ‘10年度作品
監督
ジャスティン・チャドウィック
出演
- ナオミ・ハリス
- オリヴァー・リトンド
あらすじ
1953年マウマウ団による乱が発生し、英国植民地であったケニアの独立運
動が過激化した。マルゲ(オリヴァー・リトンド)もキクユ族の勇士として
戦いに参加した。その戦いで家族を失いマルゲ自身も長く収容所暮らしを虐
げられた。
その戦いが功を賞してケニア共和国が誕生した。新政府は国力向上のた
め、小学校の無料化を打ち出した。今まで金がなくて通えなかった子供たち
は学校に殺到した。その子供たちに交じって現れたのがマルゲだった。マル
ゲは84歳にも関わらず、無料で教育が受けられると思ってやってきた。
しかし学校側は子供たちを優先するあまり、マルゲに理由を突き付けて追
い返した。だがマルゲはその理由を克服して再び現れた。そのたびに別の理
由を言うのだが、それでもマルゲはやってきた。マルゲの真剣な姿に、ジェ
ーン校長(ナオミ・ハリス)も自分の裁量で入学を認めた。
84歳の老人が小学校に入学したという話題が新聞、ラジオで取り上げられ
ると、予想以上にマルゲを非難する声が上がった。それは戦いで対立した民
族による批難が大多数だった。
マルゲは言う。
『自分で読まなければならない大事な手紙がある。自分で読んでその内容
を理解できるようになりたい』
その大切な手紙には何が書かれてあるのか。
お勧めポイント
強い意志があれば、齢は理由にはならない。
これは実話です。主人公のマルゲさんは最高齢の小学生としてギネス認定
されています。
足を引きずって歩くマルゲさんは、戦いでつま先と片方の聴力を失いまし
た。そんな姿で小学校にやってくるのは、その手紙を読みたいという強い意
志でした。
成人向けの学校もあるのですが、学費が必要なのと、生徒である大人たち
のやる気のなさでした。小学校を追い出されたマルゲさんが成人学校に行く
シーンがあります。授業中にも関わらず私語する人、やる気のない教師、こ
んな環境ではとても勉強できません。家から遠いというのも足の不自由なマ
ルゲさんには負担です。
手紙の内容を教えて欲しいだけなら、誰かに読んでもらえば叶います。で
もそれが出来なかったのは、戦いで拷問を受け、家族を殺され、誰も信じら
れなくなっていたからです。自分で読んで、その意味を理解しなければ、嘘
を教えられるかもしれないからです。
さてこの手紙は誰からなのでしょうか?その内容はどのようなものでしょ
うか?マルゲさんはこの手紙を読めるようになるのでしょうか?
物語の最後にその手紙の内容が明らかになります。そういえば途中でヒン
トめいた会話がありました。マルゲさんも誰かから聞いていたかもしれませ
んが、自分で確かめたかったのです。このシーンは一番泣けます。
あと泣けるのは、マルゲさんを支援したことでジェーン校長は解任されま
す。でも彼女を慕う子供たちが、マルゲさんのように、戦う姿を見せるシー
ンです。
マルゲさんのセリフに『土に埋められるまで学ぶ』というのがあります。
年老いて記憶力や学習意欲が低下した、というのは言い訳にしか過ぎないと
感じました。常に学ぶ心が大事ですね。
ポイント
笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★★★★


