作品名
「WIN WIN」 ‘11年度作品
監督
トム・マッカーシー
出演
- ポール・ジアマッティ
- エイミー・ライアン
- アレックス・シェイファー
あらすじ
マイク(ポール・ジアマッティ)は弁護士だ。高齢者の弁護を好んでやっ
ているので、金には縁がない。いよいよ事務所をたたむのも近い。
たまたま国選弁護したレオ爺さんは、認知症が悪化して一人暮らしが困難
になっていた。娘がいるはずだが所在不明であった。国の介護施設への入所
が一般的な判断であったが、レオは金持ちで月に1500ドルの養護費が貰える
と判った。
これ幸いとマイクは自分が後見人になると言い出した。レオは自宅での生
活を望んでおり、マイクもそれを承諾した。だが実際には施設に預かっても
らうことになった。それは後見人になる条件に違反していた。
突然、レオの孫だというカイル(アレックス・シェイファー)が現れた。
カイルはあまり喋らず、高校生だというのにタバコを吸っていた。妻のジャ
ッキー(エイミー・ライアン)の印象も悪かった。だが徐々に彼が育った環
境が判ってきた。母親はクスリ中毒でカイルに辛く当たり、荒んだ日々を過
ごしていたのだ。
だがカイルにはレスリングの才能があった。この才能を活かせば奨学金を
貰える可能性もある。
カイルの母親シンディが更生施設を出てきた。シンディはレオをオハイオ
に連れていくという。どうやらレオの金目当てで後見人を主張したいらし
い。カイルは母親の所に戻るのを拒絶した。
状況は悪い方向に進んでいた。レオが自宅で過ごすのが条件であったのを
娘が知ってしまった。
お勧めポイント
誰もが幸せになれる道はあるのでしょうか?
“Win Win”スティーブン・R・コヴィー氏の『七つの習慣』でも有名にな
った言葉です。どちらにも有益な道を探る方針です。
主人公のマイクは基本的に人が好い弁護士です。それが災いして生活費の
心配ばかりです。おまけにそれを家族にも内緒にして体調を崩しています。
カイルはあらすじで書いたように荒んでいます。レオも自分の家に住みた
いのに裁判所の命令で施設に入れられたと思っています。そしてカイルの母
親もレオから酷い仕打ちを受けていたようです。
みんな傷つきながらも必死に生きている人たちです。このままでは誰もが
悲しいままです。先ほどの”Win Win”の関係になるにはどういう道があるの
でしょうか?
結末はご覧になられるのが一番です。誰もが満足する道は存在しないかも
しれません。誰かが折れないといけないかもしれません。主人公は人の好い
人物です。周りの人が幸せになる道は、彼にとっても幸せな道です。でも彼
も決して不幸せな道を選んではいません。
悲惨なヒューマンドラマに思えますが、結構明るく表現されていてコメデ
ィタッチになっています。主人公役のポール・ジアマッティさんは、邦画な
ら西田敏行さんが思い浮かぶような風貌です。
カイルが得意だというレスリングのシーンがよく出てきます。相手の背後
に回り込む早さに驚きます。
全ての道はWinWinに続けられる選択をしていきたいものです。
どうぞこの週末は、この作品を楽しんでくださいね。
ポイント
笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★★


