作品名
「マジック・マネー」 ‘12年度作品
監督
ラマー・モーズリー
出演
- ジュノー・テンプル
- マイケル・アンガラノ
あらすじ
ジョン(マイケル・アンガラノ)とアリス(ジュノー・テンプル)は貧乏
夫婦だ。アリスは職探しに血眼だが、なかなか採用されない。一方のジョン
は営業不振で解雇された。
そんなある日、街の骨とう品屋で価値のありそうなティー・ポットを見つ
けた。だが金のないアリスは、そのティー・ポットを盗んで持ち帰ってしま
った。
家に着いたアリスはある事に気づいた。このティー・ポットは魔法のティ
ー・ポットだった。自分が痛い目に合うとティー・ポットから紙幣が出てく
るのだ。痛みの度合いに応じて金額は増減した。試しに何度か体を傷付けた
アリスは、大金を手に入れた。帰宅したジョンはアリスの傷に驚いたが、ア
リスに殴られたらティー・ポットから金が出てきて状況を理解した。
その日から二人は金持ちに成っていった。さらに判ったことは自分たちの
体を傷付けなくても、ティー・ポットの周りで痛い目に合う人がいれば、そ
れだけで聞き入れられるのが判った。そこで格闘技の試合など人が痛い目に
合っている場所へティー・ポットを持って出掛けることにした。
これで金に苦労することもなく人生を楽しめると二人は思った。だが世の
中はそんなに甘くなかった。
お勧めポイント
人生で必要なものは何でしょうか?
アラジンの魔法のランプのように願いを叶えてくれるティー・ポットのお
話しです。でもこのティー・ポットは何でも願い事を叶えてくれるのではあ
りません。痛みの度合いに応じて、お金を出してくれるだけです。ティー・
ポットの周辺で痛い目に合った人がいた時だけです。
この物語、前半は大いに笑えます。主人公たちがあの手この手で痛い目に
合いながら紙幣を獲得するシーンは笑えます。さらに物語が進むと、痛い目
というのは身体だけでなく、精神的な痛みも含まれているのに気づきます。
つまり相手の心を傷付ける言動でも紙幣が出てきます。身体的、精神的、い
ずれの場合も、自分ではなく周りの人を傷付けるのが一番楽な方法です。
主人公たちは周りの気に入らない友人を傷付けていきますが、このティ
ー・ポットの恐ろしいのは、持ち主を金の亡者にしてしまうところです。も
っと金が欲しいから次々と周りの人を不幸にしていきます。鏡を見た主人公
が死人のような自分の姿を見て驚くシーンがあります。正に死に神としか言
い様がありません。
主人公たちに必要なのはティー・ポットを手放すことなのですが、それが
出来るのでしょうか?物語の後半は、自分だったらどうするだろうかと考え
てしまいました。結末はなかなか素晴らしいです。前半はコメディ、後半は
ヒューマンドラマとして楽しめます。
この週末は本作で大いに笑って考えてみてくださいね。
ポイント
笑える度 :★★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★
スッキリ度:☆☆
感動度 :★★


