作品名
「モスラ対ゴジラ」 ‘64年度作品
監督
本多 猪四朗
出演
- 宝田 明
- 星 由里子
- ザ・ピーナッツ
あらすじ
新聞記者の酒井(宝田 明)と新人の中西(星 由里子)は、台風被害の
取材に出かけた。時を同じくして巨大なタマゴが発見された。
タマゴが流れ着いたのは建設中のリゾート施設近くだった。オーナーはタ
マゴを宣伝に利用しようと考えた。ところがそのオーナーの所に小美人
(ザ・ピーナッツ)が現れた。彼女たちはそのタマゴから巨大な蝶であるモ
スラが産まれると主張した。もしここで孵化したら周りに迷惑をかけるとも
言った。だがオーナーは彼女たちの言うことに耳を傾けなかった。
小美人はインファント島からの使者だった。インファント島はかつて水爆
実験に利用された島だ。この島の守り神がモスラで、台風の影響を受けてタ
マゴが流されてしまったのだ。
今度はゴジラが現れた。ゴジラ対策に苦悩した政府はモスラとの対決を考
えた。モスラも我が子であるタマゴが危険にさらされているから、余命わず
かな身でありながら対決に望んだ。
モスラはあっと一歩の処までゴジラを追い詰めた。タマゴはゴジラの脅威
から逃れたが、モスラはそこで息絶えた。
小美人や村人が祈る中、モスラのタマゴが孵化した。産まれた子モスラは
ゴジラとの対決へ向かった。
お勧めポイント
今年の夏はゴジラ熱沸騰
監督:本多猪四朗さん、製作:田中友幸さん、音楽:伊福部昭さん、特技
監督:円谷 英二さん、日本の特撮映画はこの人たちを中心に生まれ育ちま
した。どの作品も、何度観ても見飽きることはありません。
各作品には時代背景が映し出されています。特に『キングコング対ゴジ
ラ』はハリウッド作品への対抗意識が鮮明に出ています。圧倒的にゴジラ優
勢なのですが、後半はカミナリの力が宿ったキングコングが肉薄します。東
宝創立30周年記念作品らしいオマージュが付されています。
“対”というタイトルが“VS”に変わっていくのも時代の流れを感じま
す。
伊福部昭さんの音楽はどれを聞いても活力が湧きます。本作で『モスラの
歌』が有名ですが、これはカラオケにもなっています(笑)ちなみに私は歌
詞を見ずに歌えます(歌詞はインファント語ですが問題なし;爆)
怪獣映画といえば子供向けと思いきや、付き添いの大人たちへの配慮も忘
れられていません。一番有名なのは水爆実験への抗議です。ゴジラ自身も水
爆実験の影響を受けた突然変異です。
シリアスな設定以外に細かい処では笑いや感動シーンが、大人になって観
ると信じられないようなものが多々登場します。
たとえば本作ではモスラのタマゴの値段です。1,224,560円。これがモスラ
のタマゴの値段です。どこからこんな値が?しかも極めて細かい価格が算出
されたのでしょうか?答えは本編を観てください。理路整然とした説明に笑
いました(笑)
また『怪獣大戦争』では地球侵略に失敗したX星人が“我々は未来に向か
って脱出する。まだ見ぬ未来にな”と捨て台詞を言って自爆します。
これらは子供の時の記憶にありません。でも今観るとこんな処に面白さを
感じてしまいます。
今夏はハリウッド作品『GOZILLA』上映に伴って、BSでもたくさんの作品が
放映されます。どちらかといえば男の子向けの作品かもしれませんが、大人
のみなさんにも何か伝わる力があります。
どうぞ暑い夏は怪獣映画も楽しんでください。
ポイント
笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★★


