作品名
「里見八犬伝」 ‘83年度作品
監督
深作 欣二
出演
- 薬師丸 ひろ子
- 真田 広之
あらすじ
千葉県南部を安房国と言っていた頃のお話。
里見一族は悪魔に魂を売った一味に攻め滅ぼされた。だが一人、静姫(薬
師丸 ひろ子)だけは生き延び城を脱出した。
彷徨い歩く静姫の元に犬山道節(千葉真一)という山伏が駆け付けた。彼
の先祖は里見家の家臣で、里見家の一大事に姫を助けるお役目を託されてい
た。
それは100年前に遡る言い伝えだった。里見家の伏姫が死ぬ間際に体内か
ら8つの玉が八方に飛んでいった。その玉を持つ者たちが里見家の姫を助け
に馳せ参じると、絵巻に描かれていた。
犬山道節はその絵巻を信じて生きてきた。その絵巻にある不思議な玉を持
って生まれたという。その玉が光り輝く時、その中に漢字一文字が浮き上が
った。
玉を持っていてもその意味を、まだ見ぬ同士たちは知らないようだ。だが
八剣士が揃った時、悪魔に打ち勝つ力になるという。
静姫たちの道中に玉を持つ剣士が次々と導かれてきた。同じように犬江新
兵衛(真田 広之)なる若者も近づいてきたが、彼は玉を持っていなかっ
た。彼の目的は静姫を敵に引き渡し褒美をもらうことだった。
お勧めポイント
みんな何かの役割を持って生まれてきた
南総里見八犬伝を描いた『新・里見八犬伝』を映画化したものです。
NHKで辻村ジュサブローさんの人形劇をやっていたこともあります。少
しはご覧になられたことがあると思います。また最近はアニメ化されたり、
今秋舞台上映されたりと、人気再燃しています。
登場人物たちはいずれも宿命をもって生きています。本作ではそれぞれの
宿命については割愛されている者も多いです。みんな自問して生きていま
す。その生き方の理由が玉を持った同士の出現で明らかになっていきます。
犬山道節のセリフに『同士の共通点に孤独なことがある。これは姫を助け
る時に躊躇することがないようにするためであろう』とあります。
誰でも自分の置かれている状況に悲観する時があるでしょう。でも理由が
判った時、それが自分の宿命によるものだと理解するのでしょう。
また導かれるように同士が出会うのも、見えない糸に手繰り寄せられるの
でしょう。これがご縁というものですね。
それぞれが自分の成すべき役割を果たしていくのは宿命としか思えませ
ん。
子供向けの作品ですが、大人が観ても興味深く観てしまうのは物語がしっ
かりしているからでしょう。
さて1983年作品で登場する俳優たちはみんな若々しく輝いています。特に
薬師丸ひろ子さんと真田広之さんは注目です。若き薬師丸ひろ子さん、久し
ぶりに観ると、その当時を思い出しました。この作品の少し前に真田広之さ
んに会ったことがあるのですが、その男前ぶりに“日本で2番目だ”(一番は
誰かについて苦情、問い合わせ不可です;笑)と思いました。本番前に何度
も演技練習を繰り返されていたのを覚えています。
あと音楽が良いです。John O’Banionさんの主題歌が耳心地良いです。特
にラストシーンで、これが時代劇かと思うようなロマンチックなものです。
妖怪が出てくる特殊効果も見応えがありますが、ロマンス作品としても観
られます。大人から子供まで一緒に観られる娯楽大作を、ぜひみんなでご覧
ください。
ポイント
笑える度 :★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度 :★★


