No.523 きっと、うまくいく｜メンタルシネマクラブ

作品名

「きっと、うまくいく」　　‘09年度作品

監督

ラージクマール・ヒラニ

出演

アーミル・カーン

あらすじ

　名門ICE工科大学に入学したファルハーンは、ラージューなど多くの友と
出会った。そのなかでも寄宿舎で同室になったランチョー（アーミル・カー
ン）は強烈な個性の持ち主だった。初対面から彼の言動は皆を惹きつけた。
　
　ランチョーは奇人か天才か、意見は分かれるところだが、毎年主席を取っ
たのだから天才なのだろう。だが学長はランチョーたちを問題視して、事或
るごとに彼らを退学しようと企んだ。しかしその企てを切り抜けてランチョ
ーたちは無事に卒業した。
　
　卒業後、ランチョーの消息は誰も知らなかった。10年が経った9月5日、
突如ランチョーが大学にやってくると知った。情報は同級生によるものだっ
たが、それはデマだった。だがその同級生はランチョーの居場所を知ってい
ると言った。その場所へファルハーン、ラージューと共に行くためにデマを
流したのだ。
　
　ランチョーに会うため、ファルハーンたち3人はランチョーがいる場所へ
旅することにした。旅の途中でランチョーについて、誰も知らなかった事実
が明らかになった。ランチョーはランチョーではないらしい。
　
　

お勧めポイント

　きっと、うまくいく
　
　インド発の学園ヒューマンドラマです。
　本作を観て、学校とは学問を教える場所で、勝ち抜くことを教える場所で
はないと感じました。ランチョーが言うことはつくづく正論です。
　
　インド映画の特徴は？と尋ねられたら、“音楽”、“踊り”、そして“長編”
という言葉が浮かんできます。本作も見事に期待を裏切りません。170分とい
う大作です。本作ではさらに“ハートフル”も当てはまります。
　
　これだけの作品だから長くなるのも仕方がありません。だから気分転換に
“音楽”が必要でしょう。長時間同じ姿勢を続けないためには“踊り”も必
要でしょう。そうすることで“ハートフル”な内容も吸収力が増強されるの
でしょう。
　
　長くは感じません。色々な要素を楽しんでいるうちに終わってしまったと
いう気分です。Interval（中休み）前には日本の連続ドラマのような、この
後の展開は予想不可能という状況に放り出されます（笑）そして観終わった
後は、心がホカホカと温まっていると思います。
　
　本作を観た後、タイトルでもある“きっと、うまくいく”という言葉を信
じて、事あれば唱えたくなります。
　
　大学時代の友は幾つになっても、長期間音信不通であっても、再会すれば
一瞬で学生時代に戻れると本作を観て感じました。きっと皆さんも学生時代
を思い出されることでしょう。
　
　ところで本作はヒンディー語のみ（日本語吹き替えなし）なのですが、言
葉の端々に英単語が含まれるのはインドという土地柄なのでしょうね。発音
も注意すると楽しいです。学園でのスピーチシーンは直接理解出来れば、200
倍笑えるでしょうね。字幕に頼るしかないのは本当に残念です。それでも大
いに笑えます。
　
　今週はこの作品をゆっくりと楽しんで、心に活力を与えてあげてくださ
い。