作品名
「ペコロスの母に会いに行く」 ‘13年度作品
監督
森崎 東
出演
- 岩松 了
- 赤木 春恵
あらすじ
岡野ゆういち(岩松 了)は母親と弟の三人暮らしだ。母親のみつえ(赤
木 春恵)は最近、認知症が進んで実の息子であるゆういちのことも判らな
いことが増えた。
ゆういちの本職は漫画家だが、あまり売れてなく、生計を立てるために会
社勤めもしていた。会社の仕事はほとんどやる気がなく、上司から説教され
ることも多々あったが、そんな言葉も右から左に抜けていくゆういちであっ
た。
とうとう母みつえの面倒をみるには限界になり、仕方なく施設にお願いす
ることにした。
暇があればみつえの所に行くゆういちだった。みつえは徐々に若かりし頃
の記憶を鮮明に思い出すようになった。
お勧めポイント
介護の苦労はした人でなければ判らない
認知症の母と、その世話をする息子の心温まるお話です。
一番笑えるのは、帽子をかぶった息子を知らない人だと思っている母親が
大騒ぎするシーンです。そのたびに帽子を取ってハゲ頭を見せると、息子だ
と安心する母親でした。
同じような親子が施設にいて、息子役の竹中直人さんを知らない人だと大
騒ぎします。実は(ミエミエですが)、この息子さんはカツラを被っているの
が原因で、母親には他人に見えるのでした。でもそれを取れとは誰も言えな
いのも笑えます。
赤木春恵さんのおばあちゃん役は、さすが名女優だと思わせます。ただボ
ケ老人の演技だけでなく、徐々に回想シーンで色々な出来事を通じて幅広い
演技を堪能できます。小さい頃から苦労の連続であったことを知ると、それ
が今のおばあちゃんに繋がっているのがよく判ります。
主演の岩松 了さんは、本作では大胆なハゲ頭の中年オヤジに扮します。
このようなノホホンとした役柄もよく似合っています。優しい声も主人公の
人柄を知ることができます。
さて介護って本当に大変なことです。一人で介護して疲れ果ててしまうこ
ともあります。自分の肉親だからすべて自分が面倒を見ないといけないと思
ってしまいがちです。でもそのために無理をすると介護者まで生活を崩して
しまいます。サポートしてくれるのは介護の専門家ですから、ある程度信頼
してお願いし、その人たちと連携をとっていくことも重要なことだと思いま
す。
“老老介護”という問題も増えてきました。無理のない範囲でお世話する
のが長続きの方法だと思います。
介護中の人も、これから介護が考えられる人も、あまり関係がない人も、
本作のゆるーい物語で、介護ってどんなものかを知るには良いと思います。
まずは見ることから始めてみませんか?
ぜひ、この週末はこの作品をご覧ください。
ポイント
笑える度 :★★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★★★


