配信

No.539 永遠の0

作品名

「永遠の0」 ‘13年度作品

監督

山崎 貴

出演

  • 岡田 准一
  • 三浦 春馬

あらすじ

 佐伯健太郎(三浦 春馬)の祖母が亡くなった。火葬場で泣き崩れる祖父
を見たが、その祖父は実の祖父では無いことを初めて知った。
 
 では自分の本当の祖父は誰なのか?それは宮部久蔵(岡田 准一)という
男だと聞かされた。名前を頼りにその消息を健太郎と姉・慶子は調べ始め
た。
 
 宮部久蔵は太平洋戦争でゼロ戦に乗っていたパイロットだと判った。彼を
知っていた人は皆「臆病な男だった」と言った。祖父がそんな男だったと知
った健太郎は、調査を進めるのが嫌になった。
 
 そんな折、景浦という男だけは臆病者と決め込んだ健太郎を怒鳴りつけて
追い返した。景浦の思い出にある宮部久蔵は違うイメージのようだ。
 
 健太郎は悩んだ。多くの人が言うように臆病者だったのなら、なぜ戦死し
たのか、なぜ特攻に行ったのか、真実を知るために、もう一度、景浦の話を
聞くことにした。
 
 

お勧めポイント

 断片だけではその人の全てを知ることはできない
 
 誰もが気になるのは自分の先祖のことです。どんな人から自分は産まれて
きたのか、さらにその前はどんなことをしていた人だったのか、興味はどこ
までも続きます。
 
 宮部久蔵役は、大河ドラマ『軍師官兵衛』でもお馴染みの岡田准一さんで
す。この作品の役柄は岡田さんによく合っています。主人公は冷静に状況を
分析して行動できる人、敵兵でさえ殺さずにいたいと考える優しい心の人、
そんな人物像を想像しました。
 
 
 ラストの特攻シーンがスゴイです。これは原作の百田尚樹さんの小説に沿
ったものなのでしょうが身震いしました。
 
 正しい特攻と書くと誤解を招くかもしれませんが、ゼロ戦一騎で敵母艦に
打撃を与えるには単なる体当たりでは難しいです。敵艦の煙突めがけて真上
から急降下する必要があります。煙突はエンジンに直結するので、煙突への
攻撃はエンジンが機能停止する可能性が高いです。
 
 さらに敵艦からの攻撃をかわしながら接近するには水面スレスレに飛ぶこ
とです。水面の反射で位置計測に誤差を生じさせることができます。そして
十分に近づいたら、銃弾の当たらない角度に回り込んでから急上昇して煙突
に突入するのです。
 作品でもアメリカ兵が「奴は仕組みが判っているのか?」と言って驚きま
す。
 
 この特攻方法を知ってラストシーンを見れば、主人公の飛行技術がいかに
優れたものであったのかをお分かり頂けると思います。私はたしか古い日本
映画で、この方法を訓練するのを見たので知っていました。
 
 特攻はどうなるのでしょうか?ラストは意見が別れるところです。でも私
はこうだっただろうと信じます。私が信じたラストはこれまでの文章で考察
できると思います。皆さんはどう感じるかは、ぜひ本作をご覧になられて感
じてください。あの微笑みが何を意味するのか感じてください。
 
 ぜひ、この週末はこの作品をご覧ください。

ポイント

笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度  :★★★★