配信

No.553 鑑定士と顔のない依頼人

作品名

「鑑定士と顔のない依頼人」 ‘13年度作品

監督

ジュゼッベ・トルナトーレ

出演

  • ジェフリー・ラッシュ
  • シルヴィア・フークス

あらすじ

 ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)は名うての鑑定士
だ。オークションでは手際よく名画を売りさばき、この業界にその人ありと
自他ともに認める存在だ。
 
 だがその裏では密かに収集した女性の肖像画を一人楽しむ一面を持ち合わ
せていた。それらの肖像画は自分が担当するオークションで相棒を使って自
分が安価で落札できるようにしていた。
 
 ある日、鑑定依頼の電話が鳴った。あまり乗る気ではなかったが、若い女
性からの再三にわたる電話だったので査定することにした。だが鑑定の指示
をされた屋敷で雨の中、待ちぼうけを食らわされた。憤慨したヴァージルだ
ったが、泣きながら許しを請う電話をしてきた依頼人に、もう一度訪問する
ことにした。
 
 しかし今度も依頼人は急病を理由に現れなかった。使用人に導かれるまま
入った地下室で気になる歯車を見つけた。その歯車は彼にこの依頼を続けさ
せる気にさせた。
 
 依頼者であるクレア(シルヴィア・フークス)の屋敷を何度か訪問した
が、直接顔を見ることはなかった。だがそれはミステリアスな依頼者の顔を
一目見たい欲望を掻き立てるには十分だった。
 
 

お勧めポイント

 どんなに金があっても手に入れられないものもある
 
 主人公は孤独な男性です。目利きとしての彼は超一流の技術をもっていま
す。でも潔癖症の彼は他人を受け入れようとはしていませんでした。彼はい
つも自分の世界に閉じこもったままでした。その彼を自分の世界から飛び出
させたのは、奇妙なことにひきこもり状態の女性でした。
 
 観ている人もこのミステリアスな女性がどのような容姿の持ち主なのか興
味が湧いてきます。初めてその姿が画面に映し出された時、じっと見つめて
しまいました。
 
 ストーリの途中からこのカラクリはどうなっているのか、どのような罠に
主人公は陥っているのか、いろいろと考えてしまいます。全貌が判った時に
はその壮大なスケールに唖然としてしまいました。
 
 ラストシーンが物悲しいです。時が戻ることを主人公は切望したことでし
ょう。それがよくわかるシーンです。
 
 ミステリアスな映像・音楽が全編通じて神秘的な気分にさせます。
 
 監督は「ニュー・シネマ・パラダイス」でおなじみのジュゼッベ・トルナ
トーレさんです。そして主演は「シャイン」で主要映画賞を独占したジェフ
リー・ラッシュさんです。
 
 どうぞこの週末はこの作品を楽しんでください。紅茶が飲みたくなる作品
です。

ポイント

笑える度 :★
ファイト度:☆
ほのぼの度:★
スッキリ度:☆☆☆
感動度  :★★★★